2. 他人事と思わないで!アウトドアやレジャーの際の「熊対策」は万全に

さて、筆者の体験談を踏まえたうえで、熊の被害に遭わないための対策を考えていきたいと思います。まずは、なんといっても熊と遭遇しないようにすることが一番の対策です。

昨今は人が住んでいる場所に出没するケースも増えていることから、油断は禁物。基本的な熊対策については記事内で簡単にお伝えしますが、詳細は環境省の「クマ類の出没対応マニュアルー改訂版―(※4)」などで各自確認するようにしてください。

※4 環境庁 野生鳥獣の保護及び管理「クマ類の出没対応マニュアル -改定版-」

2.1 出かける場所の熊出没情報を事前に確認

まずは、出かける場所の周辺に熊が生息しているのかどうか、地域の熊出没情報を確認しておきましょう。

熊による被害の影響で、立ち入り禁止になっていたり道路が通行止めになっていたりするエリアがあります。レジャーなどで出かけたら、現地では必ずその指示に従いましょう。

自然が豊かな地域では、思わぬ場所で野生動物と遭遇する可能性が高いです。移動する際には十分注意しましょう。また、暗い時間帯は野生動物の活動が活発になります。夜間の移動はできるだけ避けたほうがよいでしょう。

2.2 キャンプ場などでの注意事項

熊は雑食性のため、人の食べ物に寄ってくることもある

トウモロコシを食べているツキノワグマ

Mikhail Blajenov/shutterstock.com

キャンプや登山などで山に入る際は、食べ物の管理に気をつけましょう。食べ物の匂いで、熊をはじめとした野生動物を呼び寄せてしまうからです。

とくに気をつけたいのが食事の後に出る生ゴミ。無造作に外に置きっぱなしにするのはもちろんNGです。残った食料なども密閉できる容器に入れて匂いが出ないように、細心の注意を払いましょう。

キャンプ場などの施設によっては、ゴミの捨て方や管理方法が決められている場所もあります。そのような場所では必ず指示に従いましょう。

2.3 山歩きの際の注意事項

熊の目撃情報がある地域での行動は慎重に

「熊に注意」と書かれた黄色い看板

ramustagram/istockphoto.com

ほとんどの熊は臆病で人の気配を感じると熊の方から逃げていくといわれているので、熊鈴やラジオなどを鳴らしながら、数人で賑やかに行動するのが効果的。実際に、秋田県で熊被害にあった方の大半は、鈴やラジオなどを持っていなかったそうです。(※5)

筆者が住んでいる地域では、小学生は「熊鈴」をランドセルにつけて通学しています。農作業や犬の散歩をしている人も同じで、熊鈴やラジオなどで音を出しながら行動をしています。

アナログな対策だと思われるかもしれませんが、山の中ではスマホの電波が届かない地域もあります。また、いざという時にバッテリー切れになってしまうと緊急時の連絡手段がなくなってしまうため、熊鈴やラジオは欠かせません。

ただし、昨今では人を襲うことを覚え、凶暴化した熊も一部存在します。そうした熊にはこうした対策が逆効果になってしまうことも覚えておいて下さい。

先述した熊出没情報を必ず確認したうえで、人を襲う熊が出現する可能性がある場所には絶対に立ち入らないようにしましょう。

※5 美の国あきたネット「ツキノワグマ情報」ツキノワグマによる事故を防ぐために