3.4 税務調査が入る可能性がある
前提として、貯蓄が多いからといって、税務署による調査が入るというわけではありません。貯蓄が多くても、収入や支出を正確に申告し、税金をきちんと納めていればまず問題ないでしょう。
ただし、高額な買い物や投資をしているにも関わらず、申告している所得が低い場合など、不自然な点があれば、税務調査の対象となる可能性があります。
匿名の通報や、取引先からの情報提供など、第三者からの情報提供があった場合も調査の対象になることがあります。
資産が多いことを公言したことが要因となって税務調査が入るわけではありませんが、過度に目立つ行動や、不適切な申告が原因で調査が行われる可能性が高くなることはありえます。
4. まとめにかえて
今回は、60歳代の貯蓄事情を見ながら、貯蓄が多いことを周囲の人に話すことで考えられるリスクを考えてきました。
貯蓄が多いことは素晴らしいことですが、それを安易に周りに話してしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
大切な資産を守るためにも、自分の経済状況は慎重に管理することが大切です。もし、お金のことで何か心配なことがあれば、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみるのもひとつの方法です。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 消費者庁「消費者被害・トラブルの状況に関する指標例」
- 生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」
- 首相官邸ホームページ「令和6年8月14日 岸田内閣総理大臣記者会見 」
中本 智恵