2026年に入り、今年も確定申告の時期が近づいてきました。確定申告は前年1年間に生じた所得の金額を申告する手続きですが、「1億円以上稼いでる人ってどれくらいいるんだろう?」と気になったことはないでしょうか。
ここでは、確定申告で1億円以上の所得を申告している人の人数や都道府県別の状況についてくわしく解説します。
1. 【億り人】年間所得1億円以上の人、全国に約3万7988人
国税庁によると、令和6年分所得税の確定申告を行った人は全国で2336万人です。所得の階級別に見た割合は以下のとおりです。
- 100万円以下:555.7万人(23.8%)
- 100万円超200万円以下:497.3万人(21.3%)
- 200万円超300万円以下:350.9万人(15.0%)
- 300万円超500万円以下:403.6万人(17.3%)
- 500万円超1000万円以下:340.6万人(14.6%)
- 1000万円超:188万人(8.0%)
最も多いのは100万円以下で、全体の約24%を占めています。1000万円を超える人は188万人で、10%にも満たない水準です。
では、さらに1億円超の所得となるとどれくらいの人数に絞られるのでしょうか。
- 1億円超2億円以下:2万4830人
- 2億円超5億円以下:9444人
- 5億円超10億円以下:2232人
- 10億円超20億円以下:844人
- 20億円超50億円以下:466人
- 50億円超100億円以下:117人
- 100億円超:67人
- 合計:3万8000人
1億円超の所得がある人は3万8000人で、なんと全体の約0.2%ほどです。ごくわずかな人数ですが、中には年間100億円を超える所得を得ている人もいるようです。
1.1 給与だけで「10億円超」稼ぐ《超高額給与所得者》も
「いったいどんな方法でこれだけの収入を得ているんだろう?」と疑問に感じる方もいるかもしれません。前述の国税庁の資料を見ると、所得の種類は事業所得や雑所得などさまざまですが、注目すべきは給与所得で10億円を超える人も存在する点です。
給与所得で10億円超を得ている人の人数は下記のとおりです。
- 10億円超20億円以下:86人
- 20億円超50億円以下:25人
- 50億円超100億円以下:1人
- 合計:112人
なんと、年間10億円を超える給与を受け取っている人が112人いる結果となっています。統計上の「給与所得者」には大企業の役員の方々が多く含まれているのかもしれません。
2. 【億り人】東京の一極集中。年間所得100億円超「スーパー億り人」は愛知県に多い
次に、都道府県別の所得の状況を見てみましょう。
年間1億円超の所得を得ている人が多い上位5都道府県は、下記のとおりです。
- 1位:東京都(1万5397人)
- 2位:神奈川県(3386人)
- 3位:大阪府(2513人)
- 4位:愛知県(2326人)
- 5位:埼玉県(1748人)
上記を見ると人口の多い順にランクインしているため、ある意味当然の結果といえるかもしれません。
ただし、100億円超に絞ってみると状況が変わってきます。
- 1位:東京都(33人)
- 2位:愛知県(9位)
- 3位:神奈川県、大阪府(5人)
- 5位:埼玉県、石川県、愛媛県(2人)
1位の東京都は変わらないものの、2位以下は人口と比例しない結果となっており、地方に拠点を置く大企業オーナーなどの特性が表れているといえるでしょう。
3. 【億り人】大きな変化、いわゆる「1億円の壁」は見直しへ
日本の所得税では「累進課税」の制度が採用されているため、通常は所得が多い人ほど税負担が大きくなる仕組みです。ただし、所得が1億円を超えるような富裕層は株式の売却や配当金などの所得の割合が増えることから、かえって税負担が下がっていく逆転現象があります。
これを「1億円の壁」と呼んでおり、格差の拡大を助長するとして問題視されてきました。
そこで政府は、2026年度の税制改正としてこの1億円の壁を解消する案を「税制改正の大綱」に盛り込んでいます。具体的には、追加の税負担を計算する際の「特別控除額」を現行の3億3000万円から1億6500万円に引き下げ、税率を22.5%から30%に引き上げるものです。
これにより、所得の再配分機能の強化や公平性の確保が行われることが期待されています。
4. 税制の変化を機にマネープランを見直してみよう
2026年度からは1億円の壁の解消に向けた税制改正が本格化し、富裕層を取り巻く環境は大きな変化が見込まれます。税制の変化は、私たちの暮らしに大きな影響を与えるものです。
まずは、自分の貯蓄状況や毎月の収支をしっかりと振り返り、これからのマネープランを見直すきっかけにしてみましょう。
参考資料
椿 慧理