政府は、65歳以上で一定の収入を得ると公的年金の受給額が減る「在職老齢年金」の見直しを検討しています。
働くシニアが増えゆく時代に合わせた改革に、注目が集まります。
さらに、岸田総理は6月の会見において、低所得者世帯や年金生活世帯を対象に、追加で給付金を支払うと述べました。
では、過去には高齢者向けにどのような給付金が支給されたのでしょうか。
今回は、年金世帯に給付が予定されている給付金と、過去に支給された給付金について解説します。
記事の後半では、給付金を受け取るための申請手続きについて解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 新たに支給を検討している給付金
新たに支給が検討されている給付金の対象者について確認しましょう。
1.1 検討されている給付金の支給対象者
給付金が支払われる対象者は「公的年金の受給者」と「低所得世帯」です。
低所得世帯の要件は未定ですが、現在では住民税非課税世帯と住民税の均等割課税世帯に対する10万円の給付が実施されています。
そのため、今回も「住民税の課税の有無」が一つの判断基準となる可能性が高いでしょう。
では、住民税非課税世帯に該当する目安の年収について確認しましょう。
1.2 住民税非課税世帯の年収要件
住民税非課税世帯は、世帯の全員が住民税の課税対象とならない世帯を意味します。
住民税の均等割、所得割ともに課税されない場合に該当します。
- 均等割:所得にかかわらず定額の負担を求める住民税
- 所得割:所得に応じた負担を求める住民税
住民税が非課税となるには、以下の所得要件に当てはまる場合です。(※細かな基準は自治体により異なります。)
- 障害者、未成年、寡婦またはひとり親で、前年中の合計所得金額が約135万円以下
- 単身世帯の場合は合計所得金額が約45万円以下
扶養親族がいる場合、以下の計算式で算出された金額が条例で定める金額より下回ると住民税非課税世帯に該当します。
- 「35万円×(本人、同一生計配偶者と扶養親族の合計人数)+31万円」
目安の年収は、以下のとおりです。
- アルバイトやパートの給与収入が100万円以下
- 65歳以上で年金受給のみの人は、年金収入が155万円以下
- 65歳未満で年金受給のみの人は、年金収入が105万円以下
※東京都港区の例
では、過去に高齢者向けに支給された給付金について確認しましょう。
2. 過去に支給された給付金「年金生活者等支援臨時福祉給付金」
今回は、年金生活者を対象にした主な給付金「年金生活者等支援臨時福祉給付金」について確認しましょう。
給付金は2016年度に実施され、1人あたり3万円が支給されました。
給付金の対象者は、65歳以上で以下のケースに該当している年金生活者です。
- 2015年度臨時給付金の支給対象者で65歳以上の年金受給者
ただし、生活保護などの受給者や住民税課税者の扶養親族になっている方は対象外でした。
給付金の具体的な対象者は、以下のとおりです。
2.1 「年金生活者等支援臨時福祉給付金」の対象者
すでに給付金の申請手続きは終了していますが、手続き方法は各自治体ごとに異なりました。
では、このような給付金について、どのように手続きすれば受け取れるのか確認しましょう。
3. 給付金の申請手続き
給付金を受け取る方法は、「自治体に申請して受け取る方法」と「申請をせず給付金を受け取る方法」に分かれます。
それぞれの申請方法について注意したいポイントについて確認しましょう。
3.1 申請手続きが必要なケース
給付金の申請手続きが必要な世帯について、過去に実施された自治体の手続きを参考に確認します。
東京都江戸川区で実施している「住民税非課税世帯等給付金」を確認すると、以下の世帯に該当した場合申請手続きが必要です。
- 給付金の支給対象者で確認書が届いた世帯
- 給付金の支給対象者で確認書が届いていない世帯
確認書は、江戸川区から支給対象者に発送される書類です。
基準日以降に転入・転出した人が含まれる世帯や、公金受取口座が未登録の世帯、住民税未申告の世帯員がいる世帯などは、自動的に給付金の対象とはならず、申請対象となることがあります。
確認書が届いた世帯は、オンラインで支給手続きするか、申請書類を添付して江戸川区に提出する必要があります。
江戸川区の「令和6年度住民税非課税世帯等給付金」の場合、申請後、おおむね3週間で給付金を支給する予定とのことで、申請期限は2024年10月31日までとなっています。
申請期限を過ぎると給付金が支払われないので、注意してください。
次に、申請が不要な世帯について確認しましょう。
3.2 申請手続きが不要となるケース
同様に、江戸川区の「令和6年度住民税非課税世帯等給付金」のケースで見ていきましょう。
江戸川区から「支給のお知らせ」が届いた世帯は、給付金の申請は不要です。
支給のお知らせは、以下の要件に該当した場合に発送されます。
- 世帯主の公金受取口座の情報が登録されている
- 世帯全員が江戸川区の住民基本台帳に記録されている
- 世帯全員が2024年度住民税非課税もしくは住民税均等割のみ課税されている
- 世帯全員が住民税の申告をしている
上記の要件に該当している場合は、自治体が公金受け取り口座に給付金を直接支払います。
以上から、給付金の申請には手続きが必要な世帯と、不要な世帯に分かれます。
手続きが必要な世帯の要件は、自治体ごと・また給付金の種類ごとに異なるので、注意してください。
4. まとめにかえて
2024年に検討されている新たな給付金と、申請手続きの方法について確認しました。
新たな給付金については、詳しい情報は発表されていません。
ただし、低所得世帯や年金受給世帯が対象となる見通しです。
給付金の申請手続きは、過去の例を見ても各自治体で異なることが予想されます。
給付金の対象となった場合、お住まいの自治体で申請手続きをどのようにするとよいか確認して、申請期限までに手続きしてください。
参考資料
- 港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」
- 内閣府「住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金に関するよくあるご質問」
- 厚生労働省「高齢者向け給付金のお知らせ」
- 江戸川区「定額減税しきれないと見込まれる方への給付金(調整給付)」
川辺 拓也