2.2 社会保険への加入
例えば、扶養の範囲内でパートやアルバイトとして働いている方が、新たに社会保険へ加入することになった場合、年金の受給額に影響が出る可能性があります。
というのも、社会保険に加入することによって在職老齢年金の対象になるため、前述の通り全部または一部の年金支給が停止するケースがあるからです。
現在、年収が130万円を超えると社会保険に加入するのが一般的ですが、以下の要件をすべて満たす場合にも、社会保険への加入が義務付けられています。
- 使用される従業員が常時101人以上
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 所定内賃金が月額8万8000円以上(残業代・賞与を除く)
- 2ヶ月を超える雇用の見込みがある
- 学生ではない
なお、2024年10月以降は、「使用される従業員が常時101人以上」から「使用される従業員が常時51人以上」の企業へと適用範囲が拡大することになります。
お勤め先によっては新たに社会保険への加入義務が発生するケースもあるので、注意が必要です。
2.3 賃金や物価の変動とマクロ経済スライド
現役世代の人口減少や平均余命の伸びに合わせて、年金の給付水準が自動的に調整される「マクロ経済スライド」という仕組みが導入されています。
賃金や物価の上昇に応じて年金額も増えるのが一般的ですが、年金額の伸びを調整することによって財源の範囲内で給付を行えるように保ち、長期的に公的年金の財政を運営していくことが本制度の主な目的です。
なお、現在の制度では、マクロ経済スライドによる調整は「名目額」を下回らない範囲で行うことになっています。