8月15日は、今年4回目の年金支給日です。年金は老後の貴重な収入源。貯蓄と年金で生活費を支出していくのが、老後生活の一般的なスタイルです。

年金は厚生年金保険への加入期間や現役時代の給与額によって差が生まれます。しかし、それ以上に差が生まれやすいのが「貯蓄額」です。貯蓄は自分でつくる必要があることから、コツコツ貯められる人と頻繁に散財してしまう人では、金額に大きな差が生まれてしまいます。

貯め続けた老後資産や年金などにより「高齢者=お金持ち」のイメージを抱く人もいるでしょう。しかし、実情は人によって異なり、決して高齢者がお金をたくさん持っているとはいい切れないようです。

この記事では、70歳代の貯蓄額に焦点を当て、お金持ちが多いのか検証していきます。後半では、高齢者世帯に適した貯蓄の方法を解説します。

1. 70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額はいくらか

はじめに、70歳代の二人以上世帯の平均貯蓄額を見てみましょう。

【写真1枚目/全4枚】70歳代の二人以上世帯の平均貯蓄額/高齢者世帯は他の年代に比べて「お金持ち」が多い?次ページで検証

70歳代の二人以上世帯の平均貯蓄額

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」をもとに筆者作成

  • 平均貯蓄額:1757万円
  • 中央値:700万円

平均額は1757万円となっています。かつては「老後2000万円問題」といわれ、老後資産の必要額の目安となっていた、2000万円には届いていません。

また、中央値が700万円であることから、貯蓄のある人とない人の乖離が大きいと考えられます。

では、高齢者世帯は他の年代と比べて、本当に「お金持ち」なのでしょうか。次章で検証しましょう。