4. 今からできる老後対策3選
老後資金を準備するには長い年月が必要になるので、なるべく早めに始めることが大切です。
そこで今回は、「今からできる老後対策3選」を紹介します。
4.1 家計の把握と見直し
まずは、家計を把握し、適宜見直しを行いましょう。
毎月かかる固定費を見直すことができれば、年間で数万円~数十万円の節約につながる可能性があります。
例えばですが、付き合いで加入した保険の保険料、使用量に合わないスマートフォンの通信料、不要なサブスクリプションサービスなど、意外と節約できるポイントがあるかもしれません。
また、老後に向けて適切なマネープランを立てるためにも、現在の家計の把握だけでなく、老後の収支まで想定しておくことが大切です。
4.2 NISA(少額投資非課税制度)で積立投資
積立投資とは、株式や投資信託などの金融商品を毎月一定額ずつ積み立てていく投資方法のことです。
積立期間が長ければ長いほど安定した運用成果を得られる可能性があり、NISAを活用すれば運用益が非課税となります。
預貯金とは違って元本割れのリスクが伴いますが、資産を増やすには投資による資産形成も視野に入れることが大切です。
4.3 iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCoは、公的年金に上乗せする形で加入する私的年金です。投資信託や保険、定期預金などから拠出する商品を選び、毎月一定額ずつ積み立てていきます。
NISAと同様に、iDeCoで得た運用益は非課税となることに加え、掛金全額が所得控除の対象となり、受取時にも税制優遇措置があります。
将来受け取れる金額は運用結果によって異なり、原則60歳以降に年金または一時金として受け取ることが可能です。
60歳になるまで資金を引き出せないのはデメリットに感じるかもしれませんが、貯金が苦手な方にとってはメリットになり得るでしょう。
5. 自分に合ったマネープランを
厚生労働省の国民生活基礎調査によると、年金収入だけで生活している世帯は41.7%に留まるとのことです。
まずは、日本年金機構の「ねんきんネット」等でご自身の見込み年金額を確認し、老後生活をより具体的に想定してみましょう。
年金だけで生活するのが難しいと考えられる場合は、なるべく早く準備を始めなければなりません。
NISAやiDeCoを活用した資産形成も視野に入れ、長期的なマネープランを立てていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況 Ⅱ 各種世帯の所得等の状況」
加藤 聖人