8月15日は、今年4回目の年金支給日です。今年度の年金額は昨年度から2.7%の増額となっていますが、物価高の影響を受けて増額した実感が湧いていない人も多いのではないでしょうか。
年金受給額を増やす方法として「年金の繰下げ受給」があります。繰下げ受給は、繰下げの仕方によって、年金額のさらなる増加が可能です。繰下げ受給のコツやポイントは、一体どこにあるのでしょうか。
この記事では、年金の繰下げ受給で年金を賢く増やす方法について解説します。将来の年金資産を万全に備えておきたい人は、ぜひ参考にしてください。
1. 繰下げ受給のよくある勘違い
年金には、20歳から60歳までの国民全員が加入する国民年金と、会社員や公務員が加入する厚生年金があります。どちらも繰下げ受給ができますが、繰下げは国民年金・厚生年金それぞれ別々にできるのが特徴です。
また、年金の受給権は世帯ではなく受給権者本人に与えられるため「夫だけ繰下げ」「妻だけ繰下げ」のように夫婦別々で年金の繰下げが可能です。そのため「会社勤めの短かった妻の厚生年金だけ繰下げする」「夫は保険料を納付していない期間があったから国民年金だけ繰下げする」といった、自由な繰下げのプランニングができます。
特に、夫婦のどちらか一方だけ年金受給を繰下げると、控除や追加で支給される年金などの制度が利用できるため、より多くの金額を受給できます。なぜ夫婦のどちらかだけが繰下げ受給するとよいのか、次章で解説します。