6. シニアの貯蓄事情は?70歳代の貯蓄額平均と中央値
今の高齢者はどれほどの金融資産を保有しているのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」から、70歳代の単身世帯・二人以上世帯の貯蓄額を見ていきます。
6.1 70歳代「単身世帯」の貯蓄額一覧表
はじめに単身世帯の貯蓄額を確認しましょう。
- 金融資産非保有:26.7%
- 100万円未満:5.8%
- 100~200万円未満:4.3%
- 200~300万円未満:4.1%
- 300~400万円未満:3.3%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.6%
- 700~1000万円未満:5.1%
- 1000~1500万円未満:8.6%
- 1500~2000万円未満:5.3%
- 2000~3000万円未満:8.2%
- 3000万円以上:17.3%
平均:1529万円
中央値:500万円
70歳代の単身世帯における貯蓄額の平均は1529万円、中央値は500万円でした。
中央値が500万円ということはおよそ半分の人の貯蓄が500万円以下ということでもあります。
6.2 70歳代「二人以上世帯」の貯蓄額一覧表
続いて二人以上世帯における貯蓄を見ていきます。
- 金融資産非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:4.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
平均:1757万円
中央値:700万円
平均額を見ると貯蓄に余裕のあるシニアが多い印象を受けますが、「金融資産非保有」は単身世帯で26.7%、二人以上世帯で19.2%となっており、生活に困窮している世帯も少なくなさそうです。
また、老後は主な収入が年金のみとなる世帯も多く、70歳代になってから貯蓄を取り崩して生活する世帯も多いです。
老後の生活は基本の生活費に加えて、医療費や介護費など、万が一事態に備えるための予備資金も必要になります。
物価上昇・少子高齢化が進む日本では、シニア世帯への給付金は想像以上に需要の高いものになっているかもしれません。
7. まとめにかえて
住民税非課税世帯への給付金や、シニア世代のお金事情も交えて確認してきました。
老後はお金が足りなく生活が困窮するリスクも高まるため、昨今の給付金が助けになることもあるでしょう。
ただし、物価高で苦しんでいるのは低所得世帯だけではありません。
国民全員が賃上げの施策などがどのように進んでいくのか、注視していく必要がありそうですね。
参考資料
- 総務省「個人住民税」
- 財務省「住民税について教えてください。所得税とはどう違うのですか?そもそも国税と地方税の違いはなんですか?」
- 厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
中本 智恵