4. 「住民税非課税」の3割以上が65歳以上の高齢者!理由は?

所得が一定以下の場合、住民税非課税世帯となることが分かりました。

では、現在の「住民税非課税世帯」はどのくらいの割合なのでしょうか。

厚生労働省の「令和4年国民生活基礎調査」によると、年代別の住民税非課税世帯の割合(全世帯に占める住民税非課税世帯の割合)は以下の通りです。

年代別「住民税非課税世帯」の割合

年代別「住民税非課税世帯」の割合

出所:厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」をもとにLIMO編集部作成 注:「総数」には年齢不詳を含む

  • 60歳代:19.2%
  • 70歳代:34.9%
  • 80歳代:44.7%
  • 65歳以上:35.0%
  • 75歳以上:42.5%

各年代の住民税非課税世帯の割合を見ると、80歳代が最も多く、年代が上がるにつれて割合が増加しています。

年金収入があっても、収入が一定以下となっている世帯は「住民税非課税世帯」となります。

公的年金は「雑所得」として扱われ、その収入から「公的年金等控除」が適用されます。

この控除は給与所得控除よりも高く設定されており、同じ収入額でも実際の所得が低くなりやすくなるのです。

このため、シニア世代は現役世代よりも住民税非課税世帯に該当しやすいといえます。

5. 2024年度(令和6)年度「新たに」住民税非課税等になった人にも10万円給付へ

政府は、2024(令和6)年度分の個人住民税について、「新たに住民税非課税となった世帯」に対し、1世帯当たり10万円の給付を実施します。

「均等割」のみが課税され、「所得割」が非課税となっている世帯にも10万円が支給されますが、2023年度に給付を受けた世帯は対象外となっています。

また、2023年度の給付金を「未申請・辞退」により受け取っていない場合でも、同様に対象外となる点には注意が必要です。

さらに、18歳以下の子どもがいる場合は、1人当たり5万円が給付されます。

給付要件についての詳細は、お住いの自治体ホームページをご確認ください。

ここまで「住民税非課税世帯」について解説してきましたが、シニア世代は実際どれくらいの資産を持っているのでしょうか。

次章ではシニア世代の貯蓄事情について見ていきます。