2.1 「高年齢求職者給付金」の特徴①年金と併用して受給できる

高年齢求職者給付金は、年金と併用して受給可能です。

65歳になる前に年金を受給している人が雇用保険の給付を受けた際、年金のすべてや一部の支給が停止されます。

支給停止となる年金や、停止要因となる雇用保険の給付は以下のとおりです。

【写真全5枚中1枚目】雇用保険をもらうと年金が「支給停止」になることも。2枚目以降では「高年齢求職者給付金」の受給条件などを掲載

雇用保険と年金における「支給停止」の関係性

出所:日本年金機構「失業給付・高年齢雇用継続給付を受けるとき」日本年金機構「特別支給の老齢厚生年金」および厚生労働省「Q&A~高年齢雇用継続給付~」をもとに筆者作成

雇用保険の給付を受けると支給停止となる年金

  • 特別支給の老齢厚生年金および退職共済年金:昭和36年4月1日以前に生まれた男性や昭和41年4月1日以前に生まれた女性に対して、60歳〜65歳の間で支給される年金
  • 繰上げ支給の老齢厚生年金:65歳以前から繰り上げて受給している厚生年金

年金の支給が停止される雇用保険の給付

  • 基本手当:雇用保険に加入していた65歳未満の人が離職した際に支給される失業給付手当
  • 高年齢雇用継続給付:60歳以後の賃金が60歳時点の75%未満の人に支給される「高年齢雇用継続基本給付金」基本手当受給後に再就職し、賃金が基本手当の基準となった賃金日額を30倍した額の75%未満の人に支給される「高年齢再就職給付金」の2つ。

しかし、高年齢求職者給付金は、年金と併給しても年金支給が停止されません。求職中も年金を受給し続けられるため、収入を得ながら新しい勤務先探しが可能です。

2.2 「高年齢求職者給付金」の特徴②繰り返し受給できる

高年齢求職者給付金は支給回数に制限がなく、要件を満たしていれば繰り返し受給できます。

要件は次章で詳しく説明しますが、一定数以上の雇用保険の被保険者期間や就職の意思、就職できる能力などがあれば、何度失業しても給付金を受け取れます。

なお、雇用保険の基本手当も給付制限はありません。条件さえ満たせば何度でも給付を受けられます。高年齢求職者給付金と雇用保険の違いについても、後ほど解説します。