3. 老後に受け取る年金受給額を増やす5つの方法

本章では、老後に受け取る年金受給額を増やすための方法を5つ、ピックアップして紹介していきます。

年金受給額を増やすための方法5つ

年金受給額を増やすための方法5つ

出所:筆者作成

年金受給額を増やす方法によっては「対象となる人」や「関与している年金種類」が異なるため、ご自身が活用できる方法はどれか確認しておきましょう。

3.1 年金の繰下げ受給

年金の繰下げ受給とは、老後に受け取る年金の受給開始年齢を遅らせることで「年金を増額できる制度」です。

本来年金は、原則65歳から受給開始となりますが、繰下げ受給を活用し受給開始年齢を遅らせることで、毎月受け取る年金月額を大幅にアップさせられます。

増額率は「繰り下げた月数×0.7%」で、最大で84%もの増額ができ、増額率は生涯変わりません。

繰下げ受給率の早見表

繰下げ受給率の早見表

出所:日本年金機構「年金の繰下げ受給」

たとえば、年金の受給開始を70歳まで繰下げた場合、「60ヶ月(5年×12ヶ月)×0.7%」で、増額率は42%となります。

仮に年金額が15万円だった場合、70歳まで受給期間を繰下げることで毎月6万3000円増額され、「月額21万3000円」を受給することができるようになります。

なお、繰下げ受給は国民年金・厚生年金どちらにも活用でき、「どちらか一方のみ」という選択も可能です。

留意点として、繰下げ受給期間中は年金受給ができない他、加給年金や振替加算が受け取れなくなるケースもあるため、メリット・デメリットを理解したうえで検討できると良いでしょう。

3.2 年収を上げる/長く働く

現役時代の年収を上げることで、厚生年金の受給額をアップさせることができます。

前章でお伝えしたように、厚生年金は現役時代の年収によって保険料が変わり、年収が高いほど保険料も増加します。

保険料が増加するため現役時代は負担が大きいと感じますが、その分、老後に受け取れる年金額を増やせるのです。

また、厚生年金の受給額は現役時代の保険料だけでなく「加入期間」も大きく影響しているため、現役時代に長く厚生年金に加入しているほど受給額をアップさせられます。