1.2 各産業における女性の管理職
各産業における女性の管理職を割合でみると、以下の通りです。
係長相当職以上の割合が最も高かった産業は「医療・福祉」でした。
次いで「生活関連サービス業・娯楽業」「金融業・保険業」が続きます。
続いて、係長相当職以上の女性管理職がいる企業の割合は、60.5%でした。
企業の約6割が、女性管理職を登用しています。
しかし、どのポジションでも管理職の割合は25%を下回る結果となりました。
以上から、女性の管理職がいる企業は6割を超えていますが、管理職の人数は男性に比べると、少ない現状となっています。
では、女性が管理職についてどのようなイメージを持っているのか、確認しましょう。
2. 女性の管理職にまつわるイメージ
株式会社Mentor Forは、管理職経験がある女性を対象に「管理職経験に関するアンケート」を実施いたしました。
管理職になる前の「管理職のイメージ」を調査した結果、ネガティブなイメージを持っていると回答した割合が、53.6%となっています。
特に、仕事量や責任が重くなる点や、プライベートとの両立が困難な点が回答として目立っています。
しかし、実際に管理職になってみると、ポジティブなイメージが多くなりました。
もちろん、会社ごとに任せられる仕事や組織風土も違うため、必ずポジティブなイメージに変化するわけではありません。
しかし、管理職として立ち回りながら、自身のやりがいや成長を感じられる女性もいることが分かります。
管理職へのキャリアアップができない理由の1つが「子育てやプライベートとの両立」でしょう。
実際に、ニッセイ基礎研究所が2024年3月28日に調査したレポートによれば、女性管理職で子どもがいる割合は、4割に満たない結果となりました。
子どもが小さくなるにつれて、管理職となっている女性の割合は少なくなっています。
育児に手がかかっている小学生以下の子どもがいる場合、管理職となっている割合は14.5%となりました。
以上から、管理職となるとやりがいや成長を感じられる反面、子育てや家庭との両立がしにくい点は、課題として考えられます。
では、女性の管理職が賃金をいくら受け取っているのか、給与事情についても確認していきましょう。