金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」によると、二人以上世帯で60歳代の32.6%が、70歳代の30.6%が「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と回答しています。
年金にゆとりがないと感じる理由として、物価上昇や医療費・介護費負担の増加が上位に挙げられています。
農林水産省「スーパーでの販売数量・価格の推移」によれば、お米の価格は前週のから195円上昇し、3737円/5Kg。一時期よりは下がっているものの、依然としてお米の価格の水準が高い状況が続いています。
年金生活に入り、リタイアをすれば年金や貯蓄だけで生活していくわけですから、月の生活費や赤字にならないか、貯蓄だけで足りるだろうかと不安になることもあるでしょう。今回は65歳以上の世帯に視点をあて、平均的な「平均貯蓄額・生活費・年金月額」をみていきます。
1. 65歳以上の無職世帯「平均貯蓄額」みんな貯蓄はいくらもってる?
総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」によると、世帯主が65歳以上の無職世帯(二人以上の世帯)の平均貯蓄額は2560万円でした。
1.1 世帯主が65歳以上の無職世帯の貯蓄の種類別現在高の推移(二人以上の世帯)
この貯蓄額は近年増加傾向にあり、2019年の2218万円から2024年には2560万円へと、直近5年間で右肩上がりの状態が続いています。
貯蓄の種類別に見ると、最も多いのは定期性預貯金で859万円です。次いで通貨性預貯金が801万円、有価証券(※1)が501万円、生命保険などが394万円、金融機関外(※2)の貯蓄が6万円となっています。
前年からの増加幅では、通貨性預貯金が+47万円(+6.2%)、有価証券が+21万円(+4.4%)と伸びています。
※1 有価証券:株式、債券、株式投資信託、公社債投資信託、貸付信託、金銭信託など(いずれも時価)
※2 金融機関外:金融機関以外への貯蓄のことで、社内預金、勤め先の共済組合への預金など