3. 一方、国民年金の受給状況は?「月額15万円以上」の受給は不可能?
厚生労働省が公表した同調査によると、国民年金の平均額は以下のとおりです。
- 男女全体平均月額:5万6316円
- 男性平均月額:5万8798円
- 女性平均月額:5万4426円
公的年金制度の1階部分にあたる国民年金は、40年間の保険料を納めた満額でも6万8000円(2024年度の水準)。
仮に75歳まで繰下げ受給をしたとしても、15万円に増やすことはできないので注意が必要です。
国民年金のみの加入者も母数に含めると、年金15万円以上の割合はさらに減るでしょう。
4. 【現役アドバイザーが解説】老後資金準備のために今からできること
老後のために、十分なお金を準備するには大きく3つの方法があります。
- 収入を増やす
- 資産運用をする
- 支出を減らす
なかでも、3つ目「支出を減らす」が即時的に結果を得られる方法といえるでしょう。
一般的に富裕層と言えばブランド物を身にまとい、高級外車で家にはプールがついている、というイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかし、資金に余裕のある富豪であっても、質素な生活を送っている人は意外と少なくないのが事実。
筆者がこれまでに対応したお客様のなかにも見受けられました。銀行員時代にも、多くの富裕層の方と接点がありましたが、やはり富裕層には倹約家が多いイメージがあります。
その背景には、彼らの大半が投資をしていることが挙げられます。
もとの資本が大きくなれば大きくなるほど、投資効率が良くなり、そちらにお金を回した方が効率よくお金を増やせるとを知っているためです。
たとえば「投資の神様」と言われるウォーレン・バフェット。彼は質素な暮らしぶりも有名で、1958年に3万1500ドル(当時のレートで約1134万円程度)で購入した家に今でも住み、保有する車もSUBARU車です。
政府は複数パターンでモデル年金を提示しましたが、大切なのは個々の見込額を知ること。
ねんきん定期便やねんきんネットなどで目安の受給額をはやめに確認し、正しく老後に備えていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
-
LIMO(大庭 新太朗)「厚生年金「ちょっと羨ましい」月額15万円以上は何パーセントいる?その割合を検証」
※記事の数字を一部引用しています
足立 祐一