6月も物価は上昇し、原油価格高騰の対策として行われてきたガソリンや光熱費の補助も期限を迎えようとしています。
約30年間物価の上昇は抑えられていましたが、今後は物価上昇も織り込みながら将来の資金の準備が必要になるかもしれませんね。
老後資金の代表的な収入源としては年金制度がありますが、現在年金はどの程度もらえているのでしょうか。
総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、老後の毎月の消費支出額は下記のようになりました。
- 65歳以上の単身無職世帯の消費支出:14万5430円
- 65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出:25万959円
こちらは平均値なので一概に当てはまるとは言い切れませんが、一つの目安にはなるかと思います。
単身世帯の場合、15万円の年金収入だけで平均的な支出額をカバーできるとなると羨ましく感じるかもしれません。
今回は、老後を迎えるにあたって政府により試算・公表された「モデル年金」をチェックするとともに、これからどのように準備すればいいのかを見ていきましょう。
1. 【最新】政府が提示した単身・夫婦世帯「モデル年金」、気になる中身とは
2024年5月13日、厚生労働省における「第15回社会保障審議会年金部会」にて、さまざまな世帯におけるモデル年金が公表されました。
1.1 「単身世帯」モデル年金(現役期の報酬・加入状況別)
単身世帯の場合、現役時代の報酬ごとに以下の年金額として試算されました。
- 報酬54万9000円(※男性の平均的収入を1.25倍):合計年金額 18万6104円
- 報酬43万9000円(※男性の平均的収入):合計年金額 16万2483円
- 報酬32万9000円(※男性の平均的収入を0.75倍):合計年金額 13万8862円
- 報酬37万4000円(※女性の平均的収入を1.25倍):合計年金額 14万8617円
- 報酬30万000円(※女性の平均的収入):合計年金額 13万2494円
- 報酬22万5000円(※女性の平均的収入を0.75倍):合計年金額 11万6370円
- 報酬14万2000円(※短時間労働者(男女計)の平均的収入):合計年金額 9万8484円
- 報酬国民年金のみ加入:年金額 6万8000円
次の章では、夫婦世帯のモデル年金額についてみていきましょう。