65歳以上のおよそ3分の1は貯蓄を2500万円以上を確保しており、ゆとりある老後生活を送る見通しが立っている世帯が多いと考えられます。

なお、年金月額は厚生年金で14万円台、国民年金で5万円台が平均です。

一方で、子育て支援金制度の創設など、負担増加も懸念されています。「今のままの老後対策では、間に合わないかもしれない」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。

年金や貯蓄の平均金額を踏まえて、ゆとりある老後生活を送るための対策を立てていきましょう。

1. 65歳以上の二人以上世帯のおよそ3分の1が貯蓄2500万円以上

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、65歳以上世帯の貯蓄残高の平均値は2414万円、中央値は1677万円でした。

また、2500万円以上の貯蓄を持つ世帯がおよそ34%となりました。

2000万円以上まで広げるとおよそ43%です。

半分弱の世帯は、ゆとりある老後生活を送るうえでの目安である2000万円を確保した状態で老後生活に入っていることがわかります。

一方で貯蓄が100万円未満の世帯はおよそ8%、500万円未満の世帯がおよそ21%と、充分な蓄えがない世帯も一定数います。

老後世帯のなかでも、格差が生じているのが現状です。

続いて、世帯主が65歳以上の無職世帯の貯蓄額も確認しましょう。

総務省の同調査のうち「Ⅲ 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況」では、無職の二人以上・65歳以上の世帯について、資産内訳の詳細がまとめられています。

これによると、老後世帯資産のおよそ66%は預貯金となっています。

一方で、一定数は有価証券での運用も行なわれていて、2022年で平均して400万円が投資に向かっているとの結果に。

そのほか、生命保険の資産額が390万円となっています。

近年は物価上昇の進行や新NISAなどの制度変更もあったなか、緩やかに有価証券の投資額が増加傾向です。