2. 【厚生年金と国民年金】2024年6月支給分から引き上げへ

厚生年金と国民年金の支給額は、2024年6月支給分から引き上げが予定されています。

  • 国民年金(老齢基礎年金):6万8000円(1人分※1)
  • 厚生年金:23万483円(夫婦2人分※2)

※1昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万7808円。

※2平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準。

国民年金(老齢基礎年金)は、1人分の満額です。もし保険料の未納期間があればその分が差し引かれます。仮に40年間未納なく納めた方は、2023年度の6万6250円から6万8000円と、月額1750円の増額です。

一方で厚生年金は、夫婦2人分の合計額となっています。同じ夫婦世帯を想定したモデル年金額において、2023年度、2024年度と2年連続での増額改定になります。

実に2.7%の増額改定とあり、楽しみに待つシニアは多いことでしょう。

とはいえ、マクロ経済スライド調整が発動したことにより、物価上昇ほどには年金が増額しません。年金自体は増額しているものの、実質的には目減りしているという現状にあるのです。

ではいよいよ本題である、「厚生年金の平均が14万円はウソなのか」について、次章にて確認していきます。

3. 【厚生年金】月額「平均約14万円」はウソなのか?

厚生年金は月額で14万円程度と言われており、これは厚生労働省の資料を見ても正しい金額となります。

  • 全体平均月額:14万3973円

※国民年金の金額を含む

ただし、これはあくまでも平均であり、「大多数の方がこの年金額を受け取っている」とはいえません。

「平均が約14万円ということは、だいたいそのあたりが目安額になるだろう」という老後設計はリスクがあるといえるのです。

ここからは注意点として4つのポイントを見ていきましょう。