2. 【60歳代の単身世帯】貯蓄100万円未満の割合は少なくない
60歳代単身世帯の貯蓄額について、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」より確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
2.1 【60歳代単身世帯】の貯蓄100万円未満の割合
- 41.8%
2.2 【60歳代単身世帯】の貯蓄ゼロの割合
- 33.3%
2.3 【60歳代単身世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1468万円
- 中央値:210万円
貯蓄の平均額が1468万円と聞くと多い印象がありますが、実態では100万円未満が41.8%。また、貯蓄ゼロは33.3%にのぼります。
同資料において、金融資産とは「定期性預金・普通預金等の区分にかかわらず、運用の為または将来に備えて蓄えている部分とする。…(中略)…日常的な出し入れ・引落しに備えている部分は除く」と定義されています。
つまり、日常的に使用する銀行口座の残高は含まれていないため、「貯蓄ゼロ」とは言っても全く貯金がないというわかではないでしょう。
しかし、将来に備えた蓄えがゼロという世帯が3割以上という現実からは、やはり経済的な課題を抱える世帯もいると考えられます。
一方で、貯蓄3000万円以上でみると15.1%となりました。このように十分な貯蓄を備えている世帯も多いと考えられるため、次は「貯蓄の保有世帯のみ」に限定して平均額や中央値を見てみましょう。
3. 【60歳代単身世帯】貯蓄保有世帯のみの平均と中央値はいくらになる?
同調査より、貯蓄保有世帯のみの貯蓄額について見ていきましょう。
3.1 【60歳代単身世帯】の貯蓄100万円未満の割合
- 12.8%
3.2 【60歳代単身世帯】の貯蓄3000万円以上の割合
- 22.7%
3.3 【60歳代単身世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:2240万円
- 中央値:1100万円
貯蓄保有世帯のみの貯蓄額をみると、貯蓄100万円未満は12.8%まで減りました。平均は2000万円を超え、中央値は1000万円を超えています。
なお、貯蓄3000万円以上の割合も22.7%まで増えました。
貯蓄がある世帯・ない世帯の二極化はどの世代でも見られる傾向です。
経済的な理由から、60歳代でも働き続ける方は多いです。では、手取り収入からどれほど貯蓄に回しているのでしょうか。
次章にて「手取り収入からの貯蓄割合」について確認していきます。