今年から、新NISAがスタートして話題を集めています。

新NISAは期限が無期限となり、長期的な資産形成が可能であるため、老後資金を貯める目的で利用を考えている人が多いと思いますが、新NISAは教育資金の準備にも有効です。

教育資金を貯める方法としては、学資保険がすぐに思い浮かぶと思いますが、低金利が続いている昨今では収益性はほとんど望めません。

そこで、収益性が期待できる新NISAを活用して教育費を貯める方法をご紹介します。

この記事では、「大学卒業までに教育費がいくらかかるのか」、「新NISAの特徴と積立シミュレーション」、「新NISAで貯めるときの注意点」をお伝えしています。

お子さんの教育費の準備に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

1. 教育費はどのくらい準備したらいい?

教育費を貯める準備として、まずは、いつまでにいくら必要なのかを知って、目標額を決めておきましょう。

1.1 幼稚園から高校までの教育費

文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」から、幼稚園から高校卒業までにかかる教育費の総額を、公立・私立に分けて紹介します。

2. 幼稚園から高校までの子ども1人あたりの教育費

<幼稚園>

  • 公立:約47万円
  • 私立:約92万円

<小学校>

  • 公立:約211万円
  • 私立:約1000万円

<中学校>

  • 公立:約162万円
  • 私立:約430万円

<高校>

  • 公立:約154万円
  • 私立:約316万円

※文部科学省「令和3年度子供の学習費調査-結果の概要」をもとに試算

教育費は学校の授業料だけでなく、塾や習い事、学用品なども含みます。

教育にかかる費用全般と考えてください。

幼稚園から高校まで、すべて公立であれば約574万円、すべて私立であれば約1838万円になります。

3. 学年別の教育費

教育費は学校に進学する初年度に、一番費用がかかる傾向があります。

そこで、学年別の学習費総額もみてみましょう。

公立の学校に進んだ場合、中学校3年が最も費用がかかっています。

これは高校受験のための塾代が、費用増の原因となっているようです。

一方、私立の学校に進んだ場合は、小学校1年が200万円を超える出費となっており、中学、高校でも第1学年は出費が多いことがわかります。

ここで示されている金額は平均額なので、地域や通う学校によってはさらにかかってくる場合があります。

3.1 大学にかかる教育費

次に、教育費で一番かかるといわれる大学進学の費用を、国公立、私立(文系・理系)に分けて紹介します。

<国公立>

  • 入学費用:67万2000円
  • 在学費用(1年間):103万5000円
  • 初年度合計:170万7000円
  • 4年間の合計:約481万円

<私立・文系>

  • 入学費用:81万8000円
  • 在学費用(1年間):152万円
  • 初年度合計:233万8000円
  • 4年間の合計:約690万円

<私立・理系>

  • 入学費用:88万8000円
  • 在学費用(1年間):183万2000円
  • 初年度合計:272万円
  • 4年間の合計:約822万円

入学費用は受験費用と、入学金など入学時に学校に支払った費用の他、入学しなかった学校への納付金も含みます。

在学費用は授業料や通学費、教材費など、在学中にかかる教育関連の費用です。

4年間の合計は在学費用の4年間分に入学費用を足した金額で計算しています。

大学進学は、国公立大学で約481万円、私立大学文系で約690万円、私立大学理系で約822万円の費用がかかることがわかります。

3.2 教育費の支出が多くなる年齢

ここまでみてみると、教育費の支出が多くなる年齢が分かると思います。

私立の小学校や中学校に進むケース以外は、大学進学のための費用が一番かかります。

初年度の納付金は大学の入学手続き時に1年分をまとめて払います。

授業料は前期と後期に分けて納付することができますが、1年分は準備しておきたいものです。

納める時期は高校3年時の2月から3月が一般的ですが、学校推薦型の選抜で入学する場合などは、高校3年の秋が納付時期になることがあります。

そのため、子どもが17歳あるいは18歳の時に一番教育費の支出があると想定して、教育資金の準備をする必要があります。

4. 新NISAで教育費を貯める方法

ここからは、新NISAを活用して教育費を貯める方法をお伝えします。

NISAはNISA口座(非課税口座)で購入した金融商品から得られる利益が非課税になる制度です。

通常約20%の税金がかかるところが非課税となるため、効率よく資金を増やすことが可能です。

まずは、新NISAの特徴をおさらいしておきます。

4.1 新NISAの特徴

1.非課税保有期間が無期限に

新NISAには期限がないので、長期的な資産形成が可能となります。

2.非課税投資枠が年間最大360万円

年間の投資枠は、つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円のあわせて360万円まで非課税で投資ができます。

3.生涯投資枠1800万円が新設定

生涯を通して非課税で保有できる限度額1800万円(成長投資枠は1200万円)が設けられました。

保有している株や投資信託などの購入価格の合計が1800万円を超えない限りは、何年でも非課税で運用ができます。

また、途中で売却することも可能で、売却して投資枠に空きができれば再利用できます。

4/6

出所:金融庁「新しいNISA」をもとに筆者作成

4.2 新NISAでの積立シミュレーション

新NISAが教育資金を貯めるのにも適している理由は、1800万円の生涯投資枠内であれば、売却、買付が自由にできる点です。

たとえば、積立を始めた10年後に私立中学の入学金が必要になったので一部を売却して現金化するといった使い方ができます。

空いた枠は再利用できるので、積立を続ければ、その後の教育資金を作ることができます。

教育資金は、ある程度使う時期が決まっているため、資金準備のための計画は立てやすいでしょう。

ここでは、教育費で一番かかる大学の費用を、新NISAを使って貯めるシミュレーションをしてみたいと思います。

毎月1万円を積み立てるケースと毎月2万円を積み立てるケースの二つを、利回り1%、3%、5%、7%、積立期間10年、15年、18年に分けて、最終積立額を出してみました。

毎月1万円を積み立てた場合の最終積立額5/6

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」の試算結果をもとに筆者作成

毎月2万円を積み立てた場合の最終積立額6/6

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」の試算結果をもとに筆者作成

利回りは運用してみた結果分かることなので、いくつかのパターンを想定しておきましょう。

子どもが誕生してすぐに積み立てを開始すれば、大学入学まで18年間積み立てることができます。

3歳からであれば15年間、8歳からであれば10年間積み立てられます。

期間が10年未満になる場合は毎月の積立額を増やしてみましょう。

毎月2万円の積立で、積立期間が18年あれば、年利1%の運用でも国公立大学の学費分を用意することができます。

また、積立期間が15年でも年利3%で運用できれば国公立大学の学費分に近い金額が貯められます。

繰り返しになりますが、運用利回りは投資が終わってみないとわからない不確定要素であるため、期待した利回りにならなかった場合のことも考えて資金計画を立てましょう。

5. 新NISAで教育費を貯めるときの注意点と対処法

新NISAで教育資金を準備する場合、最終的に受け取れる金額(満期保険金)が確定している学資保険と違って、最終積立額は投資が終了するまでわかりません。

場合によっては、元本を割り込むこともあります。

価格変動などの投資リスクがあることは常に念頭に置いておく必要があります。

そこで、上記の注意点を理解した上で、投資リスクに対処する方法をお伝えします。

5.1 早めに現金化しておく

大学の入学金などを納める時期に、金融危機が起きて株価が暴落していたら、売却することで大きな損失が出てしまいます。

そうしたケースを避けるためには、資金が必要になる半年~1年前に売却して現金化しておくといいでしょう。

5.2 NISA以外でも資金を作っておく

早めに現金化をしておこうと思っても、その時点ですでに値下がりしていることもあるでしょう。

要は、「値下がりしているときに売却せざるを得ない」という状況を作らないことです。

そのためには、NISA以外でも教育資金を準備しておくのがベストです。

NISAと学資保険、NISAと定期預金など、二本立てにすることで、リスクを減らすことができます。

6. 教育費の準備は早めにスタート

新NISAは、非課税保有期間が無期限になったことで、長期の資産形成がしやすくなりました。

長期間運用すれば複利効果によって、資産を大きく増やすことが期待できます。

そのため、積立は早くから始めて長く続けることが大事です。

児童手当を積み立てるだけでも15年間で約200万円になり、年利3%で運用できれば250万円~270万円程度になります。

これだけで私立大学の初年度の納付金を賄える可能性があります。

積立額は途中で変更がきくので、まずは無理のない範囲で始めてみてはいかがでしょうか。

効率よく教育費を貯めるために、新NISAを上手に活用しましょう。

参考資料