60歳代といえば、これからセカンドライフを始める年代です。
再雇用で仕事をする方、新しい仕事を見つける方いろいろですが、収入は現役に比べて減ってしまう方が多いようです。
昨今は「人生100年時代」と言われており、60歳からの人生は長く、先々のお金のことが気になる方は多いのではないでしょうか。
2024年が開幕した今、今年1年のお金計画を立てるのに絶好の機会といえます。
今回は、60歳代の方々の貯蓄ゼロの割合を確認して、これから先の人生で、老後破産を回避するための対策についてお伝えします。
1. 60歳代の「貯蓄ゼロ」は単身世帯で28.5%、二人以上世帯で20.8%
まずは、金融広報中央委員会の「2022(令和4)年 家計の金融行動に関する世論調査」で、60歳代の貯金に関するデータを見てみましょう。
以下のグラフは、単身世帯・二人以上世帯のそれぞれの金融資産保有額分布をあらわしたものです。
1.1 60歳代単身世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有 :28.5%
- 100万円未満 :8.0%
- 100~200万円未満 :5.7%
- 200~300万円未満 :4.3%
- 300~400万円未満 :3.6%
- 400~500万円未満 :2.7%
- 500~700万円未満 :6.2%
- 700~1000万円未満 :4.6%
- 1000~1500万円未満 :6.6%
- 1500~2000万円未満 :3.6%
- 2000~3000万円未満 :6.8%
- 3000万円以上 :16.9%
- 無回答 :2.5%
なお、平均は1388万円、中央値は300万円です。
次は、60歳代の二人以上世帯の貯蓄状況を確認してみましょう。
1.2 60歳代二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有 :20.8%
- 100万円未満 :6.1%
- 100~200万円未満 :5.5%
- 200~300万円未満 :3.3%
- 300~400万円未満 :3.2%
- 400~500万円未満 :3.4%
- 500~700万円未満 :5.3%
- 700~1000万円未満 :6.1%
- 1000~1500万円未満 :8.6%
- 1500~2000万円未満 :5.7%
- 2000~3000万円未満 :8.8%
- 3000万円以上 :20.3%
- 無回答 :2.9%
なお、平均は1819万円、中央値は700万円です。
60歳代の「貯金なし」の世帯割合は、単身世帯であれば「28.5%」、二人以上世帯であれば「20.8%」という結果となりました。
単身世帯では約3世帯のうち1世帯、二人以上世帯では約5世帯のうち1世帯の貯金が、ゼロということになります。
ご参考までに、貯金2000万円以上の割合は、単身世帯では「23.7%」、二人以上世帯であれば「29.1%」となっています。
60歳代は会社を定年してセカンドライフがはじまる年代。
60歳になるまでに、まとまった老後資金を準備できている人もいますが、そうでない人もおり、貯金額に大きな差がでる時期といえます。
しかし、貯金があるから老後は安心で、貯金がなければ老後破産するかといえば、必ずしもそうとは言い切れません。
老後破産する人は、毎月の収入よりも支出が多い、家計が赤字体質の人です。
もし、ある程度の貯金があったとしても、毎月、赤字の状態が続けば、早々に底をついてしまうかもしれません。
そうなれば、老後破産は避けられません。
そうならないために必要な対策を講じましょう。
2. 老後破産を回避するために必要な対策3選
老後破産を回避するための前提として守るべきことは、「収入の範囲内で暮らす」ことです。
現役時代の金銭感覚のまま過ごすのをやめ、すべての支出を見直しましょう。
以下で、主な費目の見直しポイントを紹介します。
2.1 老後破産を回避するために必要な対策1:住居費を見直す
老後の暮らしを考えて「住居費」がかかるという場合は、見直しを行いましょう。
【賃貸にお住いの場合】
賃貸住まいの場合、家賃以外で共益費や管理費がずっとかかり続けます。
家賃支出は、家計費の中でも支出割合が大きいため、見直しをすることで節約が可能です。
たとえば、65歳からもらう予定の年金収入を確認して、手取り額の2~3割程に収まる物件への引越しを検討してみてはいかがでしょうか。
仮に家賃や共益費などを含めて、月2万円減らすことができれば、10年間で240万円も節約できます。
【持ち家にお住いの場合】
持ち家に住んでいる方は、家賃のように毎月かかる費用はありません。
しかし、老後生活に住宅ローンが残っていたら、大きな負担になるでしょう。
退職までに住宅ローンを返済する方法を考えましょう。
また、ある程度の築年数の家にお住いの場合は、必要な修繕を早めに済ませることを検討しましょう。
2.2 老後破産を回避するために必要な対策2:車関連費を見直す
車があるのは便利ですが、税金、自動車保険、ガソリン代、車検、駐車場代などの維持管理費がかかります。
たとえば、車が2台あるという方は、1台に減らすようにしましょう。
それだけでも、大幅に支出を減らせます。
2.3 老後破産を回避するために必要な対策3:保険の保障を見直す
保険には、主に万一の死亡を保障するもの、病気・ケガを保障するものがあります。
どちらも、保障が相応のものか確認して、必要であれば見直しをしましょう。
たとえば、家族の生活を守るために加入している死亡保障は、子どもが独立した後は必要のない保障かもしれません。
また、万が一の病気、ケガでの入院などを保障する医療保険は、公的健康保険の高額療養費制度を利用すれば、わざわざ加入する必要がないかもしれません。
高額療養費制度とは、同一月に医療費の自己負担が高額になっても限度額を超えた分の払い戻しを受けられる制度です。
このときの自己負担の限度額は、年齢や所得によって異なります。
つまり、高額療養費制度での自己負担上限額を病気やケガのときの予備費用として貯金しておけば、医療保険に加入するのと同じ効果が得られます。
保険は「万が一の保障だから」といって、現役時代と同じものを持ち続けている場合があります。
今の状況にあった保障に見直しましょう。
3. まとめにかえて
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リタイアした後、亡くなるまでの期間がどのくらいあるかはわかりません。
その間、もし貯金が枯渇してしまえば、老後破産してしまう可能性もあるでしょう。
そうならないためには、毎月の収入の中で支出をやり繰りできる家計を作りましょう。
参考資料
舟本 美子