年末年始の帰省時は、シニア世代の親たちの変化をキャッチできる貴重な機会。特に「認知症の兆候」には早めに気づいておきたいものです。
実は筆者は、実母(80歳)の認知症の兆候に気づけなかったことを後悔している一人。今回は経験談を交えながら「年末年始の実家で確認しておきたい3つの場所」についてお話しします。
認知症のサインを早めにキャッチし、しかるべき医療や介護に繋ぐことはシニアの暮らしとお金を守る第一歩です。
※認知症の症状や進行具合はその人によって異なります。医療機関を受診し、信頼できる医師の指示のもとで、適切な療養・介護を行ってください。
1. 「認知症のサインが隠れているかも」年末年始の実家で必ずチェックしたい3つの場所
認知症の初期症状の中には、ふだんの生活の中で見逃されがちなものが結構あるのです。
筆者の実母(80歳)は要介護3。ここ数年は認知症が進行し、母の介護生活7年目の筆者は「思えばあれが認知症の初期症状だったのか」と思い返すことが多くて……。
いつもよりもゆっくりと時が流れる年末年始。親のささいな変化をキャッチするきっかけは、いつも使うあの場所、この場所に詰まっています。
1.1 チェックしたい場所その1「冷蔵庫」
ひとつめが「冷蔵庫」です。冷蔵庫の中をのぞいてみて、以下のような状態がないかをチェックしてみましょう。
- 賞味切れの食品がたくさん!
- 食べ物の保存方法が不適切(ラップやふたのない容器に入っている、解凍肉や冷凍食品を冷蔵庫に入れている、傷んだり腐ったりした食品が入れっぱなしなど)
- 食品のバランスが偏っている(嗜好品ばかり入っている、野菜が少ないなど)
冷蔵庫の中に違和感を感じたら、親が栄養バランスを意識した献立をうまく考えられなくなったり、味覚や食欲が低下しているなどのサインかもしれません。
筆者の母の場合、毎日スーパーで同じものを買って冷蔵庫に放り込んでいました。
ある時期は豚肉の薄切り、ある時は牛乳。常に同じ食品が5~6つ入っている状態。ある日ショウガが10袋近く入っていたのを見て、「これは単なる物忘れとは違うのではないか?」と、主治医に相談することができました。
毎日使う冷蔵庫は、親の食生活や健康状態に関する情報が詰まっている場所。家族でも気軽に開け閉めするため、さりげなくチェックできる場所ですね。