3. 退職時、円満に有給消化するためのポイント
有給消化は労働者の権利ですが、できれば勤務先に快く有給を認めてもらい円満に退職したいものです。
円満に有給消化するためのポイントを紹介します。
3.1 ポイント1.早めに退職申し出する
1つ目のポイントは、退職意志が固まったら早めに退職申し出をすることです。
退職日までの期間が短いと、企業が欠員への対応ができないこともあるからです。
退職申し出日から退職日までの期間が長いほど、業務の引き継ぎ期間や有給を取得できる期間が長くなります。
3.2 ポイント2.事前に引き継ぎを準備する
2つ目のポイントは、短期間で業務を引き継ぐため事前に準備することです。
特に、担当業務を1人でこなしていた場合、円滑に引き継ぎができないと勤務先の業務に支障をきたすからです。
具体的には、業務内容や手順のマニュアルを作成する、引き継ぎ事項を整理する、引き継ぎ人材を育成する、などが考えられます。
3.3 ポイント3.勤務先と話し合い妥協点を見つける
3つ目のポイントは、勤務先とよく話し合って業務に支障をきたさない範囲で有給消化を図ることです。
希望の有給を完全取得して業務に全く問題がなければ理想的ですが、お互いに妥協が必要なケースもあるでしょう。
また、理想に近づけるために退職日を伸ばすという選択肢もあります。
4. まとめにかえて
有給取得は労働者の権利であり、退職時でも原則企業は従業員の有給申し出を拒否できません。
ただし、急な退職により企業の業務に支障が出るケースもあるため、社会人としてこれまでの勤務先への配慮も必要でしょう。
退職を検討する場合、円満な有給取得を実現するために早めの対策を心がけましょう。
参考資料
- 東京労働局「しっかりマスター労働基準法ー有給休暇編ー」
- 東京労働局「Q3.退職間際の労働者から、残った年休を退職日までの勤務日に充てたいといわれたら、拒むことはできませんか?」
- 厚生労働省「働き方改革関連法のあらまし(改正労働基準法編)」
西岡 秀泰