年末を迎え、今後のキャリアを熟考している方も多いでしょう。中には2024年に転職を控えている方がいるかも知れません。
退職するときは、残った有給をすべて使ってしまいたいと考える方も多いでしょう。
しかし、実際に有給消化の申し出をしても認められる職場と認められない職場があります。
本記事では、有給消化が認められる職場と認められない職場の違いについて解説します。
円満に有給消化するためのポイントも紹介しますので、退職時の参考にして下さい。
1. 年次有給休暇とは
年次有給休暇(以下、有給)とは、労働基準法第39条に定める給与が支給される休暇のことです。
一定の要件を満たして有給が付与されると、自分の都合のいい時期に取得でき、原則企業は有給取得を拒否できません。
ただし、有給取得によって「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、企業は取得時期を変更できます。
「事業の正常な運営を妨げる場合」とはどのようなケースかを判定するのは難しいですが、客観的・社会通念上、合理的な理由なしに取得時期を変更すると違法となる可能性もあります。
また、有給の取得促進を目的に2019年4月に労働基準法が改正され、「年10日以上の有給が付与される労働者に対し、年5日は時季を指定して有給取得させる」ことを企業に義務付けました。