2023年11月13日にトヨタ自動車株式会社より発売された「新型クラウンセダン」には、ハイブリッド車に加え、走行中にCO2を排出しない燃料電池車(FCEV)が用意されています。
フラッグシップであるクラウンに燃料電池車(FCEV)が用意されていることで話題になりましたが、トヨタにはすでに量産車として世界初の高級セダン型燃料電池自動車となる「MIRAI(ミライ)」が存在します。
同じ高級セダンの燃料電池車となるクラウンセダンとミライにはどのような違いがあるのでしょうか?また、燃料電池車としての性能差はあるのかを含めてご紹介します。
1. 燃料電池車(FCEV)とは?
燃料電池車(FCEV)とは、フューエルセル(燃料電池)エレクトリック車のことで、水素自動車とも呼ばれています。
エンジンは搭載されておらず、水素と酸素の化学反応で発電し、モーターで駆動します。そのため、走行中にはCO₂を排出せず水だけを排出して走行することが可能です。
燃料電池車は水素を燃料としているため、専用の水素ステーションで充填することが可能。 現在、 全国に約160カ所以上のステーションが存在します。
2. クラウンセダンとミライの性能
クラウンセダン(FCEV)とミライは、同じ高性能FCシステムを採用しているため、FCシステムのスペックで違いはありません。モーターの出力もバッテリー容量も変わりません。
航続距離と燃料消費率も基本は同じ。
しかし、ミライの「G」グレードが若干軽量なため燃料消費率が6.0km/㎏、航続距離が30km伸びています。
2.1 トヨタの「FCシステム」は最高出力128kWの高性能燃料電池ユニットを採用
トヨタのFCシステムは、パワフルな加速感を生み出す動力源として最高出力128kWの高性能燃料電池ユニットを採用。FCスタックをはじめ、FC昇圧コンバーターなどの各パワーコントロールユニットを小型・高性能化して集約しています。
さらに、システムの高効率化を図り、燃料電池自動車において世界最高レベルの高出力を実現しています。
また、大容量リチウムイオンバッテリーを採用。減速時に回生エネルギーで充電、そして加速時にFCスタックの出力をアシストするなどパワフルで高効率な走りに貢献します。水素充填時間は1回当たり3分程度です。
2.2 トヨタの「FCシステム」諸元表
一充填航続距離 km
- クラウンセダン:820
- ミライ:820~850
燃料消費率 km/㎏
- クラウンセダン:146
- ミライ:146~152
車両重量 ㎏
- クラウンセダン:2000
- ミライ:1920~1990
FCスタック
- クラウンセダン:FCB130
- ミライ:FCB130
最高出力 kW(PS)
- クラウンセダン:128 (174)
- ミライ:128 (174)
セル数
- クラウンセダン:330
- ミライ:330
燃料・タンク
- クラウンセダン:圧縮水素
- ミライ:圧縮水素
貯蔵方式
- クラウンセダン:高圧タンク(3本)
- ミライ:高圧タンク(3本)
タンク容量 L
- クラウンセダン:141
- ミライ:141
公称使用圧力 MPa
- クラウンセダン:70
- ミライ:70
モーター型式
- クラウンセダン:3KM
- ミライ:3KM
最高出力 kW(PS)/rpm
- クラウンセダン:134 (182)/6940
- ミライ:134 (182)/6940
最大トルクN・m(kgfm)/rpm
- クラウンセダン:300 (30.6)/0~3267
- ミライ:300 (30.6)/0~3267
駆動用バッテリー容量 Ah
- クラウンセダン:84
- ミライ:84
3. トヨタ「クラウンセダン」と「ミライ」の違い
動力性能については同じクラウンセダンとミライですが、その他に違いはあるのでしょうか?
エクステリアやインテリア、そしてボディサイズや価格を見てみましょう。
3.1 ボディサイズはほぼ同じ!
クラウンセダンのボディサイズ
- 全長/全幅/全高 mm:5030/1890/1475
- ホイールベース mm:3000
- 最低地上高 mm:135
- 室内長/室内幅/室内高 mm:1970/1595/1135
ミライのボディサイズ
- 全長/全幅/全高 mm:4975/1885/1470
- ホイールベース mm:2920
- 最低地上高 mm:155
- 室内長/室内幅/室内高 mm:1805/1595/1135
ボディサイズの比較ではミライの方がわずかに小さいようですがほぼ同じと言って良い程度でしょう。
3.2 エクステリアの違いは正面の表情!
ボディサイズはほぼ同じとなったクラウンセダンとミライ。横から見るとそっくりですが、正面から見る表情は全く異なっています。
「クラウンセダン」のエクステリア
クラウンセダンのエクステリアは、「ニューフォーマルセダン」という新たな価値を創造。FRプラットフォームを生かした水平基調の伸びやかなプロポーションにより、伸びやかで美しいたたずまいを実現しています。
また、鋭さとワイド感を強調する「ハンマーヘッド」と、縦基調のパターンを施した大型台形グリルの「アンダープライオリティ」で、トヨタのフラッグシップとしての存在感を強調したフロントフェイスに。
リヤはワイド感を強調した横一文字のテールランプを採用しています。
「ミライ」のエクステリア
ミライのエクステリアは、ワイド&ローなスタイリングの躍動感あふれるフォルムで未来を見つめる新たなFRセダンの姿をデザインしています。
また、切れ長のヘッドランプや、大きく張り出したコーナーの立体で、安定感あるスタイリングを強調。
そして、ヘッドランプよりもノーズを下げることで重心を沈み込ませる効果を実現しています。
3.3 テイストが全く異なるインテリア
正面の表情でその違いをはっきりとさせたクラウンセダンとミライ。テイストの異なるインテリアで、それぞれの魅力を主張しています。
クラウンセダンのインテリア
クラウンセダンのインテリアは、大型の杢目調パネルを採用し落ち着きがあり広がりのある室内空間を創出しています。
また、おもてなしの心を込めた光による演出を取り入れ、インストルメントパネル左右や前席足元、リヤドアトリム左右に全64色に色替え対応可能なLED照明を配置。
行燈のような柔らかい灯りによる間接光が室内に心地よさを提供しています。
ミライのインテリア
ミライのインテリアは、先進性と温かみをあわせ持つコックピットになっており、心地よさにこだわったシートやくつろぎを提供する後席空間など、心地よいMIRAIとの時間をすごせます。
さらに、ドライバーとパッセンジャーそれぞれの心地よさを追求し、12.3インチの大型センターディスプレイとメーターを一体感のあるパネルで連続させ、「操作への集中」と「リラックス」のコントラストを形にしています。
4. トヨタ「クラウンセダン」と「ミライ」の車両価格は?
クラウン(FCEV)は1グレードのみ。対してミライは7グレードもあり、装備や仕様の差で約120万もの幅があります。
ミライは燃料電池車の拡販を目指すためにリーズナブルなグレードもラインナップしています。
それに対してクラウンセダンは、あくまでハイブリッドが主役ですが、クラウンオーナーに向けて燃料電池車を普及させようとする目論見があるようです。
また、燃料電池車はCEV補助金対象車両となるので、クラウン Z(燃料電池車)もミライも該当します。ただし、購入後の申請が必要になりますので、車両購入費が安くなるわけではありません。
4.1 クラウン Z(燃料電池車)
- 車両本体価格(税込み):830万円
- CEⅤ補助金:136万3000円
4.2 ミライ
- 車両本体価格(税込み):726万1000円~861万円
- CEⅤ補助金:145万3000円
5. トヨタ「クラウンセダン」と「ミライ」のまとめ
クラウンセダンに燃料電池車が加わったことで、これまでミライだけだったFCEVの選択肢が増えました。その名の通り、未来を感じさせるデザインの未来と、あくまでクラウンの新しいグレードとしてラインナップさせたクラウンセダン。どちらを選んでもFCEVならではの道の走りが実感できるでしょう。














