2. 生活保護を受けている人の2世帯に1世帯が高齢者世帯?
次に生活保護を受けている世帯の内訳を見ていきましょう。
厚生労働省の「生活保護の被保護者調査(令和5年1月分概数)の結果を公表します」によると、生活保護を受けている55.3%が高齢者世帯となっています。
なお、高齢者世帯の生活保護の利用は年々増加傾向にあり、1998年度は生活保護を受けている高齢者世帯が29万5000世帯だったのに対して、2022年では90万8000世帯にまで増えています。
上記のことから、年金だけで生活していけない高齢者世帯が増加しており、年金が足りずに貯蓄もないシニア世代が生活保護を受けているのだとうかがえます。
3. 生活保護の「不正受給」は増えている?減っている?
厚生労働省の「全国厚生労働関係部局長会議資料」によると、生活保護を受けている総世帯の数は、約20年前と比較すると2倍近くまで増加しており、生活に困窮している人が増えている現状がみてとれます。
年々増加する生活保護の利用者の現状をみて「不正受給者はいないのか」と、疑問に思った方もいるかもしれません。
厚生労働省の「生活保護業務の効果的・効率的実施及び不正受給対策について」によると、不正受給件数及び金額は、ここ数年は減少傾向にあると公表しています(図表参照)。