物価高が続く中、なかなか老後への備えが進まないという方が多いかもしれません。
そんな中、くらしとお金の経済メディア「LIMO」では、50歳以上のメールマガジン会員に「年金や老後対策に関するアンケート調査」をおこないました。
実際に「ねんきん定期便などで見込額をチェックしたことがある」という割合や、「年金は月額いくらあれば十分だと感じるか」という金額について、みんなの現状を確認します。
実際に行われている「老後対策」についても聞いてみましたので、漠然とした不安を抱えている方はぜひ参考にしてみてください。
50歳以上「ねんきん定期便などで見込額をチェックしたことがある」人は83%
まずは50歳以上の方を対象に、「ねんきん定期便などで見込額をチェックしたことがあるかどうか」うかがいました。
- ある:83.0%
- ない:11.3%
- わからない、覚えていない:5.7%
※アンケート回答数:106件
最も多いのは「ある(88名)」で83.0%でした。明確に「ない」と回答されたのは11.3%と、わずか1割となりました。
ねんきん定期便やねんきんネットでは、将来の年金受給額を確認することができます。
ただし、それぞれのツールや年齢によって、確認できる内容が異なることもあるので注意が必要です。
特にねんきん定期便の場合、50歳未満と50歳以上では記載される金額の根拠が変わります。
50歳未満のねんきん定期便(35歳と45歳以外)
50歳未満の方が受け取るねんきん定期便には、これまでの加入実績に応じた年金額が記載されます。
あくまでも現時点での試算額になるため、今後の働き方に応じた金額は含まれません。
そのため、想定よりも少ないと感じることがほとんどです。
50歳以上のねんきん定期便
50歳以上の方に届くねんきん定期便には、今の働き方が60歳まで続くと想定した場合の年金見込額が記載されています。
そのため、これまで確認していた金額よりも高くなっているケースが多いです。
ただし、あくまでも見込額にはなるので、年収やいつまで働くかなどにより、金額は異なるという点に留意しましょう。
なお、35歳、45歳、59歳の方には封書のねんきん定期便が届きます。より詳細に確認できるので、届いた際にはチェックしてみることをおすすめします。
その他、ねんきんネットではいつでも年金の見込額を確認できます。
シミュレーションもできるので、参考にしてみると良いでしょう。
50歳代以上の84.1%が「年金の見込額が少ない」と感じる
同アンケートで「ねんきん定期便などをチェックしたことがある」と回答した方に、「年金が少ないと感じたか」を聞いた問では、84.1%が「はい」と回答しました。
- はい:84.1%
- いいえ:15.9%
8割以上の方が「年金が少ない」と感じたようです。
先述のとおり、50歳以上の方がねんきん定期便で確認できる金額は、今後の働き方もある程度加味されたものとなります。
にも拘わらず、多くの方は少なく感じるという結果になりました。
厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2021年度末時点での平均受給月額は、国民年金が5万6368円、厚生年金が14万3965円(国民年金を含む)です。
国民年金には大きな個人差がないものの、厚生年金は1万円未満から30万円以上までばらつきがあります。
平均通りの年金が受け取れない方も多く、年金での老後生活に不安を抱えてしまう方も多いようです。
老後は年金がいくらあると安心なのか
続いて、「年金は月額いくらあれば十分だと感じますか?」という問に対し、「20~24万円」(31.8%)と答える方が一番多い結果になりました。
- 15万円未満:2.3%
- 15~19万円:10.2%
- 20~24万円:31.8%
- 25~30万円:29.5%
- 30万円以上:26.1%
20万円以上未満の方は12.5%のみで、残りはそれ以上必要だと感じています。
ただし、厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、実際に年金を月額20万円以上受給できている方は15.46%のみです。
男女でも差があり、男性は22.49%、女性では1.22%しかいません。
夫婦世帯であれば合算した金額が収入となりますが、それでも「理想とする年金」と「実際に受け取れる年金」にはギャップがあるといえます。
みんなが「老後に向けて実際にしている準備」とは
老後に向けて、「年金だけでは生活が不安」と感じている方は多いでしょう。
2019年にはいわゆる「老後2000万円問題」が話題となり、年金以外に2000万円もの大金を準備しないといけない、という焦りがより大きくなりました。
実際には「2000万円」という金額にこだわる必要はなく、それぞれの家庭環境や仕事の有無、年金額等によりシミュレーションすることが大事です。
では、実際にどのような老後対策が行われているのでしょうか。
先程のアンケートにて自由記述の回答を募ったところ、大きく分けて「資産形成」「支出削減」「相続対策」「健康づくり」の声が挙がりました。
老後に向けた資産形成
- 年金保険
- 貯金
- 投資
- 住宅ローンの完済
- 国民年金、厚生年金の他に毎月3万円程の年金型の保険に加入している
- Ideco・つみたてNISAで資産運用
- 娘夫婦が住んでいる近くのマンションを探している
- 高配当株への農耕的投資
- 株式投資
- 投資信託、株
- つみたてNISA、高配当株
- 資産運用
- 確定拠出型個人年金 つみたてNISA 財形貯蓄 財形年金貯蓄
- 定期預金、外貨預金、株式
- 株式投資、ソーシャルレンディング、暗号資産、不動産投資
- 個人年金、ポイ活、ポイント投資
- 毎月1万円の積立。もっと積立額を増やしたいが今は給料が少ないので増やせない。
老後に向けて支出の削減や収支の把握
- 生活水準を徐々に落としている
- 毎年の資金収支と不足額の見通し
- 生活費の見直し。固定費のスマホ代は、通信品質との兼ね合いで、極力少額になるキャリア、プランになるようにしている。保険は、死亡保険、医療保険はなるべく少ない保険料で契約するようにしている
- 家計支出のやり繰り
- 節約、預金残高を減らさない。
老後に向けて相続対策
- 相続で暦年贈与に代わるもう一つの個人年金として配当継承
- 子らへの暦年贈与
老後に向けて健康づくり
- 健康維持に努めている
- 体力づくり
- 心身ともに健康でいられるように気を配る
※すべて原文ママ
この他、「何歳まで働くか、どのように働くかの考察」「既に老後だが現役で働いており、貯蓄もしています」という声もありました。
何歳まで働くのかも含めて、老後に向けたライフプランを考える必要があるといえるでしょう。
一方で、「特に何も行っていない」という声も少なからずありました。
十分な年金や資産があれば、老後対策は不要というケースもあります。ただし、物価高が続く中で「老後資金が足りない」と気づくのはリスクが高いものです。
老後の生活について考えてみよう
まずは年金の見込額や老後の収支を把握して、老後資金が十分にあるのか、ないならいくらぐらい不足しているのか、しっかり考えることが重要になります。
調査概要
- 調査日:2023年11月9日(木)~11月20日(月)
- 対象者:くらしとお金の経済メディア「LIMO」のメールマガジン会員(50歳代以上)
- 回答数:106件
小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。



