厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」より、日本の住民税非課税世帯のうち65歳以上が半数以上を占めることが分かりました。65歳以上ということは、老齢年金世代。年金暮らしがシビアな状況であることがうかがえます。
しかし、住民税非課税世帯となる要件に貯蓄額は関係ありませんので、年金収入が少なくても長い老後生活をカバーできるほどの貯蓄を確保している世帯もあるかもしれません。
本記事では、70歳代の貯蓄事情を覗いていきます。あわせて老後の平均収入や生活費も確認していきます。ゆとりある老後生活の実現に向けて今からできることを考えていきましょう。
70歳代以上の貯蓄額
2022年の総務省統計局「家計調査 / 貯蓄・負債編 二人以上の世帯 詳細結果表」によると、70歳代以上の貯蓄額の平均は、2人以上世帯のケースで平均2411万円です。
一方で、上下の格差が大きい現状が浮き彫りとなっており、上位から5つのグループに分けた場合のそれぞれのグループの平均は次の通りです。たとえば上位20%平均とは、貯蓄額トップ~上位20%以内の方の平均となります。
平均:2411万円
- 上位20%の世帯 平均貯蓄額:6778万円
- 上位20~40%の世帯 平均貯蓄額:2803万円
- 上位40~60%の世帯 平均貯蓄額:1555万円
- 上位60~80%の世帯 平均貯蓄額:752万円
- 上位80~100%の世帯 平均貯蓄額:165万円
上位40%程度までは、平均が2000万円以上となっており一定のゆとりがありますが、下位の40%はそれぞれの平均が1000万円を下回っています。
これらの層では、安定した生活のために支出を減らすなどの対策が必要な世帯も少なくないと考えられます。