介護が始まってからでは遅い!「想定外の事態」を見据えた話し合いを

今回紹介したLIFULL seniorの調査結果によると、家族や親族などが介護施設に入所していない場合、老後について家族で話し合っている人の割合は約3割。それが、介護施設に入所を経るとその割合がぐっと上がることが分かりました。

何らかのきっかけもなく、家族や自分に「介護が必要となったとき」を自分ごととしてイメージすることは難しいかもしれません。

でも、いったん介護生活が始まると、その先の見通しは立ちにくくなり、想定外のできごとも起こります。

特別養護老人ホーム(特養)への入所が叶わず有料老人ホームに入居するために、住み慣れた住まいを処分するケースなどはよく聞く話ですね。

そこで認知症などにより判断能力が低下している場合、不動産の売却ができなくなったり、金融機関の口座が凍結されたりする可能性も想定しておく必要があるでしょう。

こともあろうに介護費用として準備していたはずの本人の資産が、使えなくなる事態も起こり得るわけです。万が一に備え、家族信託などの活用を検討を話し合っておけると安心かもしれませんね。

また、遠距離介護の場合、交通費がかさんだり、介護休暇取得で子ども側が収入減となったりすることは容易に想定できるでしょう。

介護する側・される側、双方の負担をトータルで考えるためにも、親子が元気なうちに介護について、特に「お金のこと」についてオープンな話し合いができれば理想的なのかもしれません。

参考資料

吉沢 良子