みんなの介護費用の出どころは?厚生労働省の資料を見る

さて、実際に本格的な介護が必要となる前に、介護について家族や親族で話し合えているケースは多数派ではないのかもしれませんね。

実際に必要となる介護費用には、要介護度や介護施設への入居有無、世帯の状況によっても変わります。

健康面での不安が増えていく老後の暮らし。「介護費用」はいつから、どの程度必要となるか見えにくく、また個人差が大きいところでしょう。

ここで厚生労働省の「令和4年(2022年) 国民生活基礎調査」より、介護を必要とする人の「介護費用の出どころ」に関するデータに目を向けてみましょう。

同調査では、介護費用の負担力について「介護を要する人」の年齢階級ごとにまとめたデータを見ることができます。

介護費用の負担力(厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」)

※複数回答可
※介護を要する人がいる世帯数1万対
※介護を要する人が複数いる世帯については「要介護の程度が高いほう」に計上
※図表内では「40歳~90歳以上」までの各年齢階級についてのデータを記載

■総数(10000)

介護を要する者(あるいは配偶者)の収入を充てた:7386
・年金・恩給の収入:7200
・その他の収入:867
介護を要する者(あるいは配偶者)の貯蓄を充てた:1047
介護を要する者(あるいは配偶者)以外の者の収入・貯蓄を充てた:718

■65歳以上~(9749)

介護を要する者(あるいは配偶者)の収入を充てた:7225
・年金・恩給の収入:7109
・その他の収入:784
介護を要する者(あるいは配偶者)の貯蓄を充てた:1015
介護を要する者(あるいは配偶者)以外の者の収入・貯蓄を充てた:698

■75歳以上~(8685)

介護を要する者(あるいは配偶者)の収入を充てた:6425
・年金・恩給の収入:6315
・その他の収入:650
介護を要する者(あるいは配偶者)の貯蓄を充てた:877
介護を要する者(あるいは配偶者)以外の者の収入・貯蓄を充てた:641

いずれの世代も、介護費用を自分、もしくは配偶者の収入(年金収入がメイン)・貯蓄から捻出していることがうかがえます。