老齢年金を受給している方の中には、生活費が大きく不足している方もいるでしょう。
十分な貯蓄がなかったり、働きたくても働けない状態にあったりすると「この先どうやって生活していけばいいんだろう…」と不安に苛まれる方は少なくありません。
老齢年金を受給中の方でも、一定の要件を満たせば生活保護を受給することが可能です。
最低水準の収入が確保できれば、生活を維持しやすくなるでしょう。
ただし、生活保護の支給額は、住んでいる地域によって異なります。
本記事では、地方に住んでいる老齢年金受給者で年金収入が3万円ある場合、生活保護をいくら受給できるのかシミュレーションしていきます。
1. 年金をもらいながら生活保護を受けることも可能
老齢年金を受給中の方でも、所定の要件を満たしていれば生活保護費も同時に受け取ることが可能です。
というのも、生活保護とは生活に困っている方に対し必要とされる保護をすることで、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立をサポートすることを目的とした制度だからです。
収入が不足し生活できなくなる事態は誰にでも起こりえることであるため、国民全員に認められている権利となります。
ただし、支給される保護費は、国が定めた「最低生活費」から年金や就労などによる収入を差し引いた金額です。
したがって、公的年金と給与の合計額が最低生活費に満たない場合、その不足分が生活保護費として支給されることになります。
1.1 生活保護の受給要件
生活保護は誰でも受けられるわけではなく、一定の要件を満たした世帯のみが受給できます。
原則として、以下の要件を満たす必要があります。
- 保有している資産は資金化し生活費に充てること
- 働ける場合は、健康状態や年齢など能力に応じて働くこと
- 生活保護以外の年金や手当金などが受け取れる場合は、それらを優先すること
- 扶養義務者からの援助が可能な場合は、それらが優先されること
こういった要件を満たしていれば、申請することが可能です。
1.2 生活保護の8種類の扶助
生活保護には、扶助する内容により以下の8つの種類があります。
生活費が不足する場合は「生活扶助」が支給され、アパートなどの家賃支払いのためには「住宅扶助」が支給されます。
そのほか、医療費や介護費用など、該当するものがあれば支援が受けられます。