2023年9月17日に公開された総務省の「統計からみた我が国の高齢者」によると、60歳から64歳の人の就業率(2022年)は73.0%で過去最高です。

定年退職後も仕事を続けるのが普通になりつつあります。

定年退職後も同じ会社で働く場合、気になることの1つが健康保険や有給休暇の残り分です。

本記事では、定年後に同じ会社で再雇用された場合の、健康保険や有給の残り分の取り扱いについて解説します。

定年退職に向けた準備に役立ててください。

再雇用後の健康保険はどうなるか

定年後に同じ会社で再雇用された場合、再雇用後の働き方によって健康保険の取り扱いが異なります。

それぞれについて解説します。

再雇用後もフルタイムなら会社の健康保険が使える

再雇用後もフルタイムで働く場合、会社の健康保険は定年前と同様に継続できます。

また、再雇用後の給与が下がると、健康保険料も下がるのが一般的です。

従業員が手続きする必要はありませんが、退職による健康保険の「資格喪失」手続きと再雇用による「資格取得」手続きを、会社が同時に行います。

資格取得時に、健康保険料の計算基礎となる標準報酬月額も改定されるため、健康保険料も変わります。

配偶者などの家族が被扶養者として勤務先の健康保険に加入していた場合、定年後に再雇用された後も、健康保険に継続加入できるので安心です。

短時間勤務の場合は任意継続か国民健康保険に加入

再雇用後に勤務時間を減らすなどして健康保険の加入要件を満たさない場合は、健康保険は継続できません。

そのため、勤務先の健康保険に「任意継続」で加入するか、「国民健康保険」に加入しなければなりません。

ただし、勤務先の健康保険に任意継続で加入できる期間は2年間に限定されます。

また、任意継続の場合は家族も被扶養者として勤務先の健康保険が適用されますが、国民健康保険に加入する場合は家族も新たな保険制度に加入しなければなりません。

厚生年金や雇用保険の取扱い

定年後に再雇用でフルタイムの仕事を続ける場合、健康保険だけでなく厚生年金や雇用保険も継続できます。

手続きは会社がしてくれるため、従業員の手続きは不要です。

また、短時間勤務などで厚生年金の加入要件を満たさない場合、60歳以降は年金制度に加入する必要はありません。

ただし、年金を増やしたいと考えるなら、国民年金に任意加入するという選択肢もあります。

再雇用後に有給休暇は引き継がれるか

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次に、再雇用後の有給休暇の取り扱いについて解説します。

有給休暇は繰り越される

定年前に有給休暇の残りがあった場合、有給休暇は再雇用後に繰り越されます。

定年前と再雇用後で雇用契約は異なりますが、有給休暇について定めた労働基準法では、「継続勤務」とみなされるからです。

再雇用後の有給休暇は継続勤務したものとして付与される

有給休暇の付与日数(法律上の最低日数)は勤続年数に応じて決まり、勤続年数が長いほど有給休暇日数は多くなります。

再雇用後の勤続年数は定年前の勤続年数を加算して計算するため、フルタイムで働く場合は定年前と同条件で有給休暇が付与されます。

再雇用を含めて老後の働き方を考える

定年後に同じ会社で再雇用された場合、フルタイムで働くなら勤務先の健康保険を継続できます。

また、定年前に有給休暇の残りがある場合、再雇用後も繰越しされるため、定年前に慌てて有給消化する必要はありません。

ただし、定年後に時短勤務などで働く場合、一定の要件を満たさないと勤務先の健康保険は適用されません。

健康保険を含め今後の家計収支などを可能な限り詳細に検討して、老後の働き方を検討しましょう。

参考資料