物価上昇はなかなか落ち着きを見せず、現役世代だけでなく年金世代も暮らしが不安定に感じる方もいるでしょう。
帝国データバンクが2023年6月30日に公表した「「食品主要195社」価格改定動向調査」によると、今年の食品値上げは前年を超えるようです。7月中には年3万品目へ到達する見込みのため、ますます家計が厳しいと感じるかもしれません。
年金生活になると、こうした物価高ではやりくりに悩むこともあるでしょう。
6月15日に支給される年金からは増額となりましたが、それでも物価上昇幅には追いついていません。
では、そんな厚生年金や国民年金は平均でいくら支給されているのでしょうか。
今回は、厚生労働省が公表する資料をもとに、60歳~89歳の年金支給額を見ていきます。
※本記事でご紹介する厚生年金の金額には、すべて国民年金の金額が含まれます。
1.【老齢年金】国民年金と厚生年金のしくみ
公的年金には「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」があり、図のように2階建ての構造となっています。
1.1 国民年金(基礎年金)とは
1階部分にあたる国民年金には、原則として日本に住む20歳から60歳未満の方が加入します。誰でも一律の保険料を納め、その納付月数によって将来の老齢基礎年金額が決まります。
ちなみに2023年度の満額は月額6万6250円(67歳以下の場合)で、前年度の6万4816円より1434円増額となりました。
毎年改定があるものの、およそ年額78万円となっています。
1.2 厚生年金とは
厚生年金には主に会社員や公務員などの第2号被保険者が上乗せとして加入し、報酬比例性の保険料を納めます。
こちらは加入期間や現役時代の報酬により、老齢厚生年金の支給額が決定するという仕組みです。
これらの年金額について、それぞれの平均額を年代別に見ていきましょう。