注文住宅とは、建築主が自ら選んだ住宅会社と「建築工事請負契約」を取り交わして、希望の間取りや設備を取り入れながら設計・建築を進めていく住宅のことをいいます。

購入時には間取りや仕様・設備などがほとんど決まっている建売住宅と異なり、ライフスタイルに合ったオンリーワンの住まいを造ることができるのがメリットです。

また、建売住宅ができるだけ多くの人をターゲットにして及第点を目指しているのに対して、注文住宅は特定の条件に合致している顧客層にターゲットを絞り、100点満点以上の評価を目指す傾向があるといえます。

2023年(令和5年)3月に国土交通省住宅局が公表した「令和4年度住宅市場動向調査」によると、注文住宅取得世帯における住宅の選択理由は、「信頼できる住宅メーカーだったから」が54.7%で最も多く、この傾向は2017年度(平成29年度)以降続いています。

この結果から、注文住宅を建てる人がいかに満足度の高い住宅取得を目指しているのかがわかります。

次いで「新築住宅だから(40.9%)」「一戸建てだから(42.0%)」「住宅のデザイン・広さ・設備等が良かった(37.2%)」「住宅の立地環境が良かったから(32.7%)」と続いています。

2024年から省エネ基準を満たさない新築住宅は「住宅ローン減税」の対象外になるため、理想を求めつつ性能も満たすよう計画している方も多いでしょう。

しかし、注文住宅を建てて後悔した点がある人も少なくないのが実情です。

そこで本記事では、大阪府で約5000万円の注文住宅を建てた方の体験談をもとに、後悔した点を紹介します。

注文住宅で後悔した点1:スカイバルコニーのメンテナンスが大変

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「スカイバルコニーを設置しましたが、屋根がないので鳥の糞や蜘蛛の巣がたくさんある状態です。週一で掃除してもすぐに汚れてしまいます」と語ります。

スカイバルコニーとはルーフバルコニーとも呼ばれる屋上のことで、ガーデニングやアウトドアなどさまざまな使い方が可能で、ソファやテーブルなどを設置して屋外のリビングとして利用することもできます。

しかし、外部環境の影響を受けやすいのでこまめに掃除する必要があり、一般的な傾斜のある屋根よりも雨漏りが発生しやすくなるデメリットがあります。

排水口の周りや防水等の定期的なメンテナンスが欠かせないので、そうした手間をできるだけ無くしたいのであれば、避けた方が無難といえます。