三井住友カード株式会社が2023年8月23日に調査した「投資に関する意識調査」によると、20歳代の約3割が投資を経験しています。

一般的に、投資を長期にわたって続けると運用成果がプラスになるため、早いタイミングから投資を始めれば、年代が高くなるにつれて貯蓄額や資産も増えていくでしょう。

では、実際に年代が上がれば貯蓄額は増えていくのでしょうか。

今回は、各年代ごとの貯蓄額を平均値と中央値ごとに解説します。

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各年代における貯蓄額の平均値

金融広報中央委員会が発表している「家計の金融行動に関する世論調査」から、各年代における貯蓄額の平均値を見ていきましょう。

20歳代から70歳代の平均値は、【図表1】の通りになりました。

平均値の結果をみると、年代が上がるにつれて貯蓄額は2人以上の世帯、単身世帯それぞれ高い結果となりました。

いずれの世帯でも70歳代の貯蓄額が最も高い結果となっています。

一般的に、老後を迎えると、これまで蓄えてきた貯蓄を切り崩すため、70歳代は貯蓄が目減りするイメージを持たれるかもしれません。

しかし、データでは貯蓄額が増えているため、60歳代以降の資産や生活スタイルも変遷していると考えられます。

一例を挙げるとすると「高齢者の就業率」が高まっている点です。

総務省が2021年9月19日に発表した調査によれば、高齢者の就業率は徐々に増加傾向にあると発表しました。

2010年からの推移をみると、60歳代から70歳代でみると、徐々に就業率が増加しています。

蓄えた貯蓄と公的年金だけを頼りに生活するというよりは、仕事もしながら貯蓄の切り崩す割合を減らしていると考えられるでしょう。

【図表3】のとおり、保有している金融商品のうち預貯金は60歳代をピークに目減りしていますが、債券や株式といった金融資産は増加しています。

以上から、60歳代以降も株式や債券への資産運用を行いながら、金融資産を増やし続けている人もいると考えられます。

では、各年代の中央値について確認していきましょう。