まだ資産運用を始めていない人でもやっておくべき準備
先々の資産形成がまだできていない人でも、これから始めておくべき準備が「NISA」と「iDeCo」です。
それぞれの特徴やメリットについて解説します。
NISA
NISAは、株式や投資信託を利用して投資した利益に課税される税金を非課税にしてくれる制度です。
現行のNISA制度は「一般NISA」と「つみたてNISA」に分かれており、2023年末で現行の制度は廃止されます。
一方、2024年から始まる「新しいNISA」は、現行の「一般NISA」と「つみたてNISA」を「成長投資枠」と「つみたて投資枠」に一本化しています。
新しいNISAの拡充案は、【図表6】の通りです。
「成長投資枠」は、上場株式や投資信託等が投資対象となっており、一般NISAの役割を引き継いでいます。
「つみたて投資枠」は、現行のつみたてNISAに該当する投資枠です。
これまで、一般NISAとつみたてNISAは併用して利用できませんでした。
新しいNISAでは、併用できるため、目的に合わせた投資が可能となっています。
また、年間投資枠も拡大しているので、より多くの資金を投資に回せるようになりました。
非課税で保有できる期間も恒久化されるので、まだ資産運用を始めていない人でも、活用の方法次第ではしっかりと資産形成ができるでしょう。
iDeCo
iDeCoは、60歳代以降の生活資金を確保するために、個人で資金を拠出して、資産形成を図る制度です。
iDeCoは、拠出した掛金の全額が所得控除になります。
そのため、所得税や住民税を軽減したい人や、自営業の人は利用するメリットがあるでしょう。
ただし、60歳まで拠出を続ける必要があるので、人によっては長い期間、掛金を拠出する必要があります。
そのため、無理のない範囲で拠出しましょう。
資産形成の準備は早いうちに始めていきましょう
年代別の貯蓄額を平均値と中央値でそれぞれ確認しました。
早いうちから資産形成をしている人は、年代が高くなっても、保有資産に余裕があるといえます。
一方で、高齢者における就業率も高くなっているため、貯蓄の切り崩すタイミングや生活のスタイルも変わってきているといえるでしょう。
資産運用を始められていない人は、2024年から新しくなるNISAや、拠出した額が所得控除されるiDeCoの活用を検討してください。
参考資料
- 三井住友カード株式会社「投資に関する意識調査」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和4年調査結果」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和4年調査結果」
- 総務省「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」
- 金融庁「NISAとは?」
川辺 拓也