イタリアのバールとスターバックス、その違いは?

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イタリアのバールとスターバックスの違いには、次のようなものがあります。

滞在時間

イタリアのバールでは、エスプレッソを立ち飲みして、店員や常連さんに挨拶して、数分で立ち去ることが多いのが実情です。

一方のスターバックスでは、30分以上の滞在が多いと言われています。容量の多いドリンクを注文してテーブルに座り、友人とおしゃべりしたり、Wi-Fiを使って仕事をしたり。

イタリアではあまりなじみのなかった「おひとりさま」仕様が目新しいといえます。

外観・内装

地元民に根づくバールは、比較的こぢんまりとしていて、街並みにあった素朴な佇まいをしていることが大半です。

もちろん、「カフェ・フローリアン」や「カフェ・グレコ」など、歴史的な重みを感じるカフェもありますが、イタリア人が日常的に通うのは、近所や勤務先周辺にある小さなバール。

スターバックスはバールとは対照的に、豪華でモダンな内装が特徴です。

ミラノの1号店は、外観はかつての郵便局の重厚な雰囲気を保ちながら、インテリアは映えそうなモダンな内装となっていました。ファッションの町・ミラノにふさわしいエレガンスが、成功の理由だったのでしょう。

店員との人間関係

バールに集う人々との交流は楽しいものの、そうしたおしゃべりを煩わしく思う人は皆無ではありません。スターバックスは、店員と客の関係性はあっさりとしているのが特徴。これが、若い世代に受けたと言われています。

また、イタリアのバールでは見られないアメリカ的で多彩なメニューが、新しい物好きの若者の心をとらえました。

イタリアのスターバックスは長蛇の列

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イタリア人が好むコーヒーは、朝はカプチーノ、お昼以降はエスプレッソが主流。スターバックスのカプチーノやエスプレッソの値段は、通常のバールよりも30~40%割高です。

にもかかわらず、イタリアの各地にオープンしたスターバックス前には長蛇の列を目にします。食に関しては保守的なイタリア人も、アメリカ生まれの新しい文化として、スターバックスを受け入れたと言えるかもしれません。

参考資料