国土交通省が2023年1月31日に公表した「2022年の新設住宅着工件数」によると、総戸数は前年比0.4%増の85万9529戸で2年連続の増加となっており、分譲戸建住宅も前年比3.5%増の14万5992戸で、同じように2年連続の増加になっています。
しかし分譲戸建住宅は2022年11月以降2カ月連続で前年同月実績を割り込んでおり、変調の兆しが見られます。
マイナス要因として考えられるのは家計事情の変化や就業継続の不安による住宅ローンの不安といった消費心理そのものの低下や、地震・台風などの天災リスク、空き家の増加などがあります。
また近年顕著になっている建築資材や住宅設備の高騰も影響していると考えられます。
この夏休み、住宅展示場へ足を運んだという方もいるかと思いますが、多くの方が価格をネックに感じているのではないでしょうか。
建売住宅は注文住宅と比べてローコストで入手できるのがメリットですが、建築費が高い近年ではただ安いだけではなく、自分たちの要望を最低限満たしている物件を選ぶことが重要です。
そこで本記事では実際に建売住宅を購入した方の体験談をもとに、入居してから気付いた不満やその対策について紹介します。
ここで紹介する内容は、埼玉県で3200万円の建売住宅を購入した方の体験談にもとづいています。
これから建売住宅を購入しようとする際に参考にしていただけたら幸いです。
建売住宅の不満点1:LDKと部屋が隣接している
「LDKと隣接した部屋がドアひとつで繋がっているため、食事のニオイが部屋に進入してしまう点が不満です」
焼き魚や焼き肉、揚げ物などの料理はニオイが部屋中に充満し、隣の部屋まで進入してしまうことがあります。
消臭の基本は換気なので、キッチンの換気扇を回しっぱなしにしておくと共に、必ずLDKの窓を2か所以上開けて空気の通り道を確保しましょう。
また扇風機やサーキュレーターなどを使って、部屋全体の空気を循環させるのも有効です。
建売住宅の不満点2:コンセントが足りない
「コンセントが部屋の角にしかないために、充電する際に配線を引っ張ってきたりタコ足配線になったりしがちで、不便さを感じます」
近年では携帯電話やゲーム機、パソコンなどの個人が使用する電子機器が年々増える傾向にあるので、どうしてもコンセントの数が不足しがちです。
しかしタコ足配線によりコンセントの定格以上の電流が流れてしまうと、発熱や発火の可能性があるので非常に危険です。
コンセントの数は、注文住宅であれば各家庭で使用する電化製品の数を考慮に入れて細かく設計しますが、建売住宅の場合はそのようなわけにはいきません。
そのためコンセントがどうしても不足してしまう場合には、個別スイッチ付きの電源タップを使用するようにしましょう。