物価上昇や電気代の高騰などにより、家計収支のバランスが崩れてしまったご家庭は少なくないでしょう。

こうも値上げが続くと、10年、20年以上も先の老後にまで気持ちが至らないかもしれません。

しかし、いまのシニアの年金事情を見ていくと、大小あれど老後への備えは必須といえそうです。

そもそも、老後の年金収入がどの程度なのかご存じでない方もいるでしょう。

今回は、65歳~69歳の年金受給者の平均受給額を見ていきます。

果たして、老後の生活の柱となる年金はいくら受け取ることができるのか、将来訪れる年金生活をイメージしながら、セカンドライフに向けて今から何ができるのかを考えていきましょう。

まずは受け取れる公的年金についてみていきましょう。

1. 65歳~69歳「国民年金・厚生年金」の受給額

いまの60歳代の人は、「国民年金・厚生年金」をどれくらいもらっているのでしょうか。厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」で確認していきます。

1.1 「国民年金」受給額(月額)

国民年金は、主に自営業やフリーランス、専業主婦・専業主夫の方が加入対象となるもので、保険料は一律です。

保険料を全期間(40年間)納めた場合に、満額を受給することができます。未納がある場合には、その期間分が減額される仕組みになっています。

ちなみに、2023年度の67歳以下新規裁定者の国民年金受給額は満額で月額6万6250円です。

ではいまの65歳~69歳は、実際にどのくらい国民年金を受け取っているのでしょうか。

【国民年金の平均受給額(月額)】

平均:5万7739円

  • 65歳:5万8078円
  • 66歳:5万8016円
  • 67歳:5万7810円
  • 68歳:5万7629円
  • 69歳:5万7308円

※老齢年金の受給開始年齢は原則65歳以上ですが、60歳~64歳の間で受給開始年齢を早める「繰上げ受給」制度を利用することも可能です。ただし、繰上げ受給を選択した場合は、生涯にわたり受給額が減額されます。

65歳~69歳の国民年金の平均受給額(月額)は、5万7739円でした。

厚生年金に一度も加入したことがない方は、国民年金のみの受給となります。年金収入だけで生活するのは厳しいといっていいでしょう。