2025年も終わりに近づき、年末調整の書類を準備する中で、ご自身の働き方やお金について改めて考える機会が増えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に40代を過ぎると、老後の生活の柱となる「公的年金」について、漠然とした不安を感じることも少なくありません。
「自分は一体いくら年金を受け取れるのだろう」「正社員とパートでは、将来の年金額はどれくらい違うの？」といった疑問は、多くの方が抱くものです。
この記事では、そんな疑問を解消するために、公的年金の基本的な仕組みから、最新のデータに基づいた男女別・働き方別の平均受給額、さらには具体的なライフコースに応じたモデル年金額まで、詳しく解説していきます。
ご自身の将来設計を考える上での、確かなヒントが見つかるはずです。
1. 【厚生年金＋国民年金】しくみは2階建ての構造
公的年金は「2階建て構造」などと表現されます。
これは、1階部分にあたる「国民年金（基礎年金）」、2階部分にあたる「厚生年金」から成り立つためです。
1.1 1階部分：国民年金の概要
- 加入対象者：原則として日本に住む20歳以上から60歳未満の全員
- 年金保険料：全員一律、ただし年度ごとに改定あり（2025年度月額：1万7510円）
- 受給額：保険料を40年間欠かさず納付すれば満額（2025年度月額：6万9308円）
1.2 2階部分：厚生年金の概要（国民年金への上乗せ）
- 加入対象者：会社員や公務員、またパートなどで特定適用事業所（※1）に働き一定要件を満たした人
- 年金保険料：収入に応じて（上限あり）変わる（※2）
- 受給額：加入期間や納めた保険料により個人差あり
※1 特定事業所：1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者（短時間労働者は含まない、共済組合員を含む）の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※2 厚生年金の保険料額：標準報酬月額（上限65万円）、標準賞与額（上限150万円）に保険料率をかけて計算される
国民年金には、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員が原則加入し、一律の年金保険料を納めます。
一方で厚生年金は、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入し、収入に応じた年金保険料を納めるしくみです。
