親の死後、現金だけでなく実家などの不動産を相続することがあります。

実家のある地方から離れて暮らしている場合は特に、相続した実家の管理が負担になってしまう可能性が考えられるでしょう。

相続に備えて、実家の今後を親子で話し合っておくことが大切です。

そこで今回は、実家を相続した後の選択肢について解説します。

親が元気なうちにしておきたい対策についても解説しますので、将来的に実家をどうするのか家族で話し合ってみてください。

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1. 実家を相続した後の選択肢には何がある?

ここでは、実家を相続した後の選択肢について解説します。

あらかじめ親と子どもなどで話し合い、実家の今後について方向性を決めてから計画を立てるとよいでしょう。

1.1 実家を相続した家族・親族が住む

実家に住み続けたい家族や新しく住む場所が欲しい相続人がいる場合は、実家で暮らす人に相続してもらう方法があります。

実家に住む人がいれば、その人に実家の管理をしてもらえるので空き家になりません。

家族で長く暮らしていた思い出のある実家を手放さずに済むメリットもあるでしょう。

ただし、不動産は分割することが難しいことから、相続財産の分け方によっては他の相続人が不公平だと感じることがあります。

そのため、相続人が複数いる場合に実家に住む人に相続させる場合は注意が必要です。

1.2 相続した実家を売却する

相続した実家を売却して現金化する方法もあります。

実家に住む人がいなくなり、活用する予定もない場合は、現金化することで公平に遺産分割しやすくなるでしょう。

また、要件を満たせば、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」により譲渡所得から最高3,000万円の控除が受けられる可能性があります。

詳しくは国税庁のWebサイトをご覧ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm

相続した実家を売却する際には、相続登記を終えてからでないと売却活動はできません。

さらに、希望通りの金額・タイミングで必ず売却できるとは限らないことにも注意しましょう。

1.3 相続した実家を第三者に賃貸する

相続した実家をそのまま第三者に貸し出して運用する選択肢もあります。

借主がいれば家賃収入を得られるため、固定資産税や修繕費など実家の維持にかかる費用に充てることができることもメリットです。

ただし、実家を賃貸するにあたり、高額なリフォーム費用が必要となるケースがあることに注意しましょう。

1.4 建物を解体して土地活用する

建物の現状や土地の大きさなどの条件によっては、建物を解体して更地にしてから活用するのも1つの手です。

更地にすることで、駐車場として貸し出したり、賃貸アパートを新築したり、賃貸併用住宅を建てて居住したりするなど活用の幅が広がります。

土地によって向いている活用方法が大きく異なるため、土地活用をする際は最適な活用方法をしっかりと見極める必要があるでしょう。

1.5 相続放棄する

実家の売却や活用が難しい場合、相続財産の状況によっては相続放棄も選択肢として考えられます。

たとえば、相続財産に借金などの負債があり、相続するとかえって負担が大きくなってしまう場合などです。

相続放棄をすると実家だけでなくすべての相続財産を相続しないことになります。

ちなみに、2023年4月27日から相続等により取得した「土地」を国庫に帰属させることができる制度が始まります。

建物がある場合は対象外ですが、相続財産の中で土地のみを手放したい場合は検討してみてください。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html