2023年3月31日に帝国データバンクが公表した「食品主要195社」によると、4月は5000品目以上、5月以降も4000品目を超える値上げが決まっています。

スーパーでチェックする商品が軒並み値上げとなり、思わずため息がでてしまいますね。

今年から年金受給となる方にとっては、この先のやりくりが一層不安になることでしょう。

今回は、2023年度の標準的な夫婦の年金受給額に焦点をあててみたいと思います。

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1. 2023年度の標準的な夫婦の受給額

厚生労働省は、2023年度から公的年金を受け取る方の年金受給額は前年度から+2.2%、現在受け取っている68歳以上の方は前年度から+1.9%の引き上げになると公表しました。

実際にどの程度増額されるのかは、下図をご覧ください。

出所:厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」

この内容から、2023年度の標準的な夫婦の受給額(2023年度の新規裁定者(67歳以下の方))は以下のとおりであると読み取れます。

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額)1人分):6万6250円(前年度比+1434円)(自営業者や主婦が該当)
  • 厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):22万4482円(前年度比+4889円)

夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額とは、 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間働いたサラリーマン(妻は専業主婦)が将来受け取る給付水準です。

今回の年金額引き上げは、物価や賃金の上昇に応じて年金額を改定する法律にのっとって改定したかたちです。

しかし、実際はマクロ経済スライドによる調整が入るため、物価の伸び率と比較すると実質的な目減りとなります。

マクロ経済スライドについては次章で解説します。