2. 【公的年金】マクロ経済スライドの仕組み
マクロ経済スライドとは、賃金や物価の上昇にともない、年金の給付水準を見直すしくみで、平成16年の年金制度改革で導入されました。
導入の背景には、現役世代が年金を負担する「世代間扶養」の負担を軽減する意味合いがあります。
なぜなら、仮に賃金や物価の上昇に合わせて年金保険料が上がり続けると、その分現役世代の負担割合が多くなってしまうからです。
そのため、マクロ経済スライドで年金の伸びを抑制し、長期的に公的年金制度を維持する狙いがあるのです。
厚生労働省の資料によると、現在の物価変動率は前年比+2.5%、名目手取り賃金変動率は前年比+2.8%。
もしマクロ経済スライドが発動しないと、2023年度から公的年金を受け取る人は+2.8%、現在受け取っている68歳以上の方は+2.5%で増加率が改定することになります。
2023年度の実際の増加率は+2.2%と+1.9%になるので、マクロ経済スライドで年金額が抑制されたのが分かりますね。