子どもが小さいうちは専業主婦、子どもが大きくなって時間ができたらパートをはじめる女性は多いと思います。特にお子さんが入園、入学を控えるこの時期は、ご自身の行き方や働き方を考える女性が多いでしょう。
同じパートでも、扶養内で働くパターンと、扶養を外れてしっかり稼ぐパターンがあり、それぞれのライフスタイルによって選択はさまざまです。
ここでは、お金に焦点を当てて、「ずっと専業主婦の場合・扶養内でパートをする場合・扶養外でパートする場合」の3つのケースで、老後までの貯蓄額と年金額を比較してみたいと思います。
専業主婦世帯は減っている
現在では夫婦共働きが一般的になっていますが、結婚して専業主婦を選ぶ人も少なからずいると思います。
「男女共同参画白書 令和4年版」から、共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移をみてみましょう。
妻が64歳以下の世帯をみると、1985年は共働き世帯が718万世帯に対して、専業主婦世帯が936万世帯と、専業主婦世帯の方が多くなっています。
1990年あたりから専業主婦世帯と共働き世帯が逆転します。
2000年以後、その差は開いていき、2021年では専業主婦世帯が458万世帯に対して、共働き世帯は1177万世帯と、2倍以上になっています。専業主婦世帯の減少は著しいといえるでしょう。
時代は専業主婦からパートへ
上記の結果だけをみると、バリバリ働く共働き世帯と家庭に入る専業主婦世帯の二つに分かれているように感じますが、共働き世帯をもう少し詳しくみてみると、女性の働き方の実態がみえてきます。
一口に共働き世帯といっても、妻がパート(週35時間未満就業)と妻がフルタイム(週35時間以上就業)に分けられます。
2021年の世帯数をみると、「妻がパート」が691万世帯、「妻がフルタイム」が486万世帯となっており、およそ6対4の割合で「妻がパート」の世帯が多くなっています。
「妻がフルタイム」で就業している世帯数は1985年からほぼ横ばいで変わっておらず、実態は、専業主婦がパートを始めて共働きになった変化であることがわかります。