制度に振り回されない選択を
専業主婦モデルは時代遅れといわれて久しいですが、出産、子育て期間は専業主婦にならざるを得ないケースは現在進行形で続いています。
そして、一旦仕事を離れるとキャリアが途絶え、再就職はパートなどの短時間労働となってしまうケースが多いことは、前出の「共働き世帯数の推移」のグラフからも見て取れます。
また、パートの中でも、扶養内で働く場合と扶養を外れて働く場合とで大きな壁があることはこれまで述べたとおりです。
社会保険料の負担がネックとなって、収入を調整してしまうパート労働者は多いと思います。
収入が増えることは誰にとっても喜ばしいことであるのに、制度によって働き損が生じるために、あえて抑えてしまうのは、一時的には得に思えて長い目で見ると損をしてしまうのではないでしょうか。
働き方は人それぞれです。もちろん、専業主婦を続けるのもいいと思います。自分にあった生き方、働き方ができるのが一番です。
ただ、制度の壁がブレーキになってしまっている場合は、壁を意識せずに働いてみることで、仕事の幅が広がり、やりがいが見つかるかもしれません。
自分がやりたいことはなんなのか、制度に振り回されない選択ができるといいですね。
参考資料
- 内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書 令和4年版・第1節 家族の姿の変化・人生の多様化」
- 日本年金機構「令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
- 全国健康保険協会「令和5年度保険料額表(令和5年3月分から) | 協会けんぽ 」
- 日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」
石倉 博子