少子高齢化が進む日本で、老後に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。十分な年金をもらえるのか、疑問に思う方もいるかもしれません。

そのような中、2022年1月20日に総務省より2023年度の年金受給額が公表されました。受給額は増額となったものの、インフレ率を考慮すると実質的な給付水準は下がっています。

今回は、最新の国民年金・厚生年金の受給月額と、65歳以上・無職世帯の家計実態を紹介します。

年金生活について具体的に確認してみましょう。

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1. 2023年度の国民年金と厚生年金の月額はいくらか

2022年1月20日、総務省より2023年度の国民年金・厚生年金の月額が公表されました。年金額は以下のとおりです。

出所:厚生労働省 「令和5年度の年金額改定について」

1.1 2023年度の国民年金・厚生年金の年金額

  • 国民年金の満額(67歳以下):月額6万6250円(前年比+1434円)
  • 国民年金の満額(68歳以上):月額6万6050円(前年比+1234円)
  • 標準的な夫婦の受給額(厚生年金+国民年金):月額22万4482円(前年比+4889円)

標準的な夫婦とは、平均年収約527万円で40年間勤務した会社員と専業主婦(夫)の夫婦をさします。

年金受給額は増額となっていますが、2022年の物価上昇率と比較すると上昇幅は少ないです。

68歳以上の方の場合、2022年の物価上昇率+2.5%に対して、年金額増加率は+1.9%となっています。

これは、「マクロ経済スライド」という年金の仕組みの影響です。