1月になると、来年度の年金受給額が決まるなど、年金の動向が注目されます。

しかし、意外に見落としがちなのが「年金から天引きされるお金」の存在。

実は、厚生年金と国民年金からも税金や社会保険料などが天引きされるのです。会社員の給与と同じく、額面と手取りは一致しないのですね。

2022年12月には最新の年金受給額が公表されました。最新データを見るとともに、年金20万円から天引きされるお金や特別徴収の条件を見ていきましょう。

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1. 日本の年金制度の仕組み

そもそも国民年金と厚生年金の違いとは何でしょうか。まずは日本の年金のしくみを押さえましょう。

日本の公的年金制度は2階建て

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

1.1. 国民年金とは

国民年金とは、公的年金のうち1階部分にあたる年金です。日本に住む20~60歳未満の方はすべて加入し、保険料を支払うことで、将来は老齢基礎年金を受け取ります。

ただし、障害状態になれば障害基礎年金を、生計維持者が亡くなれば遺族基礎年金を受け取れるケースもあります。

そんな国民年金の保険料は一律で、2022年度は月額1万6610円、2023年度は月額1万6520円です。

1.2. 厚生年金とは

会社員や公務員などの第2号被保険者が、国民年金に上乗せして加入するのが、2階部分の厚生年金です。

厚生年金の保険料は報酬に応じた等級で決まり、納めた保険料によって受け取れる老齢厚生年金額が決まります。

厚生年金の場合も、条件を満たせば遺族厚生年金や障害厚生年金が受け取れます。

以上が基本的な公的年金の仕組みとなります。