2022年12月26日、厚生労働省年金局より「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」が公表されました。

こちらによると、国民年金(老齢基礎年金)の平均支給額は若干あがったものの、厚生年金は前年度より減少になっています。

国民年金と厚生年金という公的年金の仕組みを整理するとともに、最新データからリアルな年金支給額を見ていきましょう。

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年金制度ってどんなしくみ?

まずは簡単に、日本の年金制度をおさらいします。国民年金と厚生年金については、2階建てをイメージするとわかりやすいです。

1階部分は「国民年金」・2階部分は「厚生年金」

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

国民年金と厚生年金の加入者

1階部分は、日本に住む20歳から60歳までのすべての人が加入する国民年金(老齢基礎年金)。そして2階部分は、会社員や公務員が上乗せして加入する厚生年金です。

いずれも年金保険料を納めることで、下記の年金を受け取ることができます。

  • 自営業や専業主婦(主夫)など…国民年金のみ
  • 会社員や公務員など…国民年金と厚生年金

国民年金と厚生年金の保険料

国民年金の保険料は一律で、2022年度は月額1万6590円。こちらを40年間全納すれば、満額が受給できる仕組みです。

ちなみに2022年度の満額は、月額で6万4816円でした。

一方で厚生年金は、現役時代の年収に応じて保険料が決まります。納めた保険料と加入期間によって受給額が変わるため、人によって年金額が異なります。

国民年金のように、受給額の満額という概念はありません。