「誰に我慢してもらうか」を考える

上記を読んで、高額の固定資産税を課されて東京に住めなくなる人が可哀想だ、と感じる読者もいるでしょう。

しかし、「誰かに我慢してもらわなければ」東京一極集中が改善しないのであれば、「誰に我慢してもらうか」を考える必要があるのです。

地価の高い都心の狭い土地を相続してひっそり暮らしている人が、高額の固定資産税を課されて都心から出ていくのは可哀想かもしれません。

しかし、狭い土地を高い値段で売って郊外で豊かに暮らすことができるのであれば、それも有効な選択肢の一つといえるでしょう。

おわりに

ここまでは、東京に住む人は加害者たる面もある、という観点から論じてきました。

ここからは余談ですが、もう一つ考えるべきことがあります。それは、過密都市に住むことで、大地震発生時に大きなダメージを受けかねない、という「被害者」の観点です。

東京に住むか否かを考える際に、収入や日常の混雑等については考慮したかもしれませんが、災害時のリスクについてまで考えが及んでいたしょうか。

そこまで考えていなかったとしたら、東京に住むという判断について、いま一度考えて直してみても良いかもしれませんね。

本稿は、以上です。なお、本稿は厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。

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塚崎 公義