みんなが気になる老後の年金額は、2種類の書面で通知されます。
年金保険料を支払っている間は「ねんきん定期便」で見込み額を、実際に給付をうける段階になれば「年金振込通知書」で振り込まれる金額を確認できます。
いまの給与明細でも見方がよく分からない・・という人は意外と多いものですが、大切なお金のことは自分で目を通せるようにしておくのがベストです。
そこで今回は、日本年金機構が公表する資料をもとに「ねんきん定期便」と「年金振込通知書」の違いを解説したいと思います。
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1. 【解説】ねんきん定期便の見方
はじめに、現役世代でも年に1度は目にしているはずのねんきん定期便からみていきましょう。
ねんきん定期便に記載される内容は年齢により微妙に違っており、おもには以下の項目を確認することができます。
1.1 ねんきん定期便:50歳未満
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出所:日本年金機構「「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和4年度送付分)」
- ①これまでの加入実績に応じた年金額(昨年)
- ②これまでの加入実績に応じた年金額(今年)
- ③国民年金(第1号・第3号)の納付状況
- ④加入している年金制度の区分
- ⑤標準報酬月額・標準賞与額・保険料納付額
- ⑥これまでに納付した保険料の累計額
- ⑦これまで年金制度に加入していた期間
- ⑧これまでの加入実績に応じた年金額
1.2 ねんきん定期便:50歳以上
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出所:日本年金機構「「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和4年度送付分)」
- ①老齢年金の見込額
- ②70歳まで受給を遅らせた場合の老齢年金の見込額
- ③国民年金(第1号・第3号)の納付状況
- ④加入している年金制度の区分
- ⑤標準報酬月額・標準賞与額・保険料納付額
- ⑥これまでに納付した保険料の累計額
- ⑦これまで年金制度に加入していた期間
- ⑧老齢年金の種類と見込額(年額)
- ⑨基礎年金の見込額
- ⑩厚生年金の見込額
1.3 ねんきん定期便:年金受給者(年金受給であり現役の被保険者でもある方)
- ①国民年金(第1号・第3号)の納付状況
- ②加入している年金制度の区分
- ③標準報酬月額・標準賞与額・保険料納付額
- ④これまでに納付した保険料の累計額
- ⑤これまで年金制度に加入していた期間
節目となる35歳・45歳・59歳にはより詳細な情報を確認することができますが、ねんきん定期便に記載されているのはあくまでも「見込み額」です。
将来これだけもらえると約束された金額ではありませんので、今後の年収・年金の加入区分に応じて変化すると覚えておきましょう。
2. 【解説】年金振込通知書の見方
つづいて、年金振込通知書に記載される項目をみていきます。
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出所:日本年金機構「年金振込通知書」
2.1 年金振込通知書.年金支払額
各種控除前の年金の総支給額。
年金は年6回(偶数月)に支払われるため、2ヵ月分の合計額が記載。
2.2 年金振込通知書.介護保険料額
年金から天引きされる介護保険料額。
2.3 年金振込通知書.後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)
年金から天引きされる後期高齢者医療保険料や国民健康保険料(税)の金額が記載。
ただし、天引きの対象ではない場合は記載なし。
2.4 年金振込通知書.所得税額および復興特別所得税額
年金から天引きされる所得税額および復興特別所得税額の金額が記載。
各種控除額(扶養控除や障害者控除など)と社会保険料(介護保険料、後期高齢者医療保険料または国民健康保険料(税)の合計額)を差し引いた後の額に税率5.105%を掛けた金額。
2.5 年金振込通知書.個人住民税額
年金から天引きされる個人住民税の金額が記載。
2.6 年金振込通知書.控除後振込額
年金の総支給額から②~⑤の天引きされる金額を差し引いた結果、最終的に口座に振り込まれる金額(手取り)が記載。
見込み額をお知らせしてくれるねんきん定期便にたいし、「リアルな年金明細」となっているのが年金振込通知書です。
控除される項目によっては、住んでいる地域によって控除割合が異なります。
そのため総支給額は同じだったとしても、転居した際は手取り額が変わる可能性があります。
3. 「こんなに天引きされる・・」手取りの年金額はいくらか
年金からも天引きされるお金があると知らなかった人は、年金振込通知書をみてびっくりしてしまうかもしれません。
具体的にはどのくらいの金額が天引きされるのでしょうか。
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」から、65歳以上の年金についてみてみましょう。
無職の夫婦世帯の場合、社会保障給付(年金)21万6519円にたいし、直接税1万2109円・社会保険料1万8529円となっています。
合計約3万円が天引きされることになりますから、手取り年金額は約18万円です。
無職の単身世帯の場合、おなじく社会保障給付12万470円から合計約1万2000円が天引きされています。
月の生活費に数万円の誤算がでるのは痛手ですから、年金の額面と手取りにはある程度ギャップが出ることを見越したプランを立てておきましょう。
4.「ねんきん定期便」と「年金振込通知書」の違いを知る
「老後にどのくらいのお金がかかるのか分からない」「想像できない」という方は多いのですが、老後になったからといって生活がガラリと変わるわけではありません。
ベースはいまの生活水準が引き継がれますから、今の生活をキープするのに月いくらのお金がかかっているかを整理すると老後に必要な資金もみえてきます。
余力があれば、高齢期の医療費や介護費用にも備えておきたいところですが、まずは老後の生活費を確保できるよう対策しておくことをおすすめします。
参考資料
尾崎 絵実
